愛知民報

【17.07.30】核兵器禁止条約国連会議で採択 県民運動が世界動かした 

 米ニューヨークでおこなわれた国連会議は7日、人類史上初めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約を国連加盟国の3分の2の122カ国の賛成で採択しました。核兵器廃絶に向けた大きな一歩です。被爆・終戦70年余、愛知でも被爆者を先頭にした運動が粘り強く続き、世界の反核・平和の世論の発展に貢献しています。

被爆者を先頭に愛知県内各地で、核兵器廃絶を訴えた「あいち平和行進」=5月31日

日本政府の条約参加を 原水爆禁止愛知県協議会(愛知県原水協)事務局長 横江英樹さん

 愛知のみなさんから多くの募金をいただき、日本原水協の代表団54人の1人として、ニューヨークでの国連会議の傍聴に参加しました。
 国連会議の会場の雰囲気は、非常にフリーでした。アメリカなど核兵器保有大国の圧力に屈せず最終的に会議に参加した政府の数 は130 を超えました。被爆者団体を含め100を超えるNGO(非政府組織)も参加しました。どの政府の発言にも核兵器禁止条約への強い期待が示されました。
 会議の終了後には、被爆者代表がヒバクシャ国際署名296万人(愛知約7万人)を国連会議のエレン・ホワイト議長、国連の中満泉軍縮担当上級代表に手渡しました。
 核兵器禁止条約が生まれ、核兵器廃絶への道が開かれる瞬間を傍聴し、これまでたたかってきた多くの被爆者の方々の顔が頭に浮かび感動的でした。
 愛知に帰ってから被爆者の方々から「念願の核兵器禁止条約ができた。これまでたたかってきて、すでに亡くなられた先輩たちに報告ができる。でも、本物の核兵器禁止条約にするためには日本が条約に入らないといけない。多くのみなさんと力を合わせてヒバクシャ国際署名を集め、日本を変えるたたかいをこれからも命ある限りしていきたい」と言われ、頑張らねばと決意を新たにしています。
 日本が条約に入るには、米国の核の傘の下にある政府の態度を改めさせなければなりません。8月の原水爆禁止世界大会成功に向け、全力をあげます。

ニューヨークのカフェでヒバクシャ国際署名を集める横江さん(中央)=6月18日

 

県内在住 被爆者2043人

 広島・長崎の原爆投下から72年。愛知県原水爆被災者の会(愛友会)は23日、名古屋市南区で、原爆犠牲者を偲ぶつどいをおこない、被爆者、家族、市民ら180人が参列しました(写真)。愛知県ではこの1年で91人の被爆者が亡くなりました。県内の被爆者数は現在2043人です。
 愛友会の恩田明彦会長は、「核兵器禁止条約を歓迎する。日本を含めすべての国が条約に入るよう運動を強める」と強調しました。
 日本民主青年同盟愛知県委員会のの落合拓常任委員が「誓いの言葉」を朗読しました。日本共産党から岡田ゆき子名古屋市議が参列しました。

 

県内自治体から「非核・平和」の声

 核兵器廃絶をめざし世界の都市が国境を越えて連帯する国連NGO「平和首長会議」には愛知の55ある県・市町村のうち52市町村が加盟。未加盟は瀬戸、高浜の両市です。
 平和自治体宣言は、日本最初の半田市をはじめ、愛知県、名古屋 、豊橋、岡崎、一宮 、春日井、豊川、津島、豊田 、西尾、犬山、江南 、小牧、稲沢、新城、知立、尾張旭 、高浜、岩倉、豊明、日進、愛西 、清須、北名古屋 、弥富、長久手、大府、あま、みよし、東郷 、豊山、大口 、扶桑、大治、蟹江、阿久比、東浦 、美浜、武豊、飛島の市町村に広がっています。
 ヒバクシャ国際署名に賛同する自治体首長が広がっています。犬山、津島、清須、大口、飛島、半田、岩倉、弥富、豊明、扶桑、東浦、武豊、江南、愛西、知立、蟹江、あま、稲沢、豊山、北名古屋の各市町村長が署名しています。大村秀章愛知県知事は、日本共産党の、わしの恵子県議の本会議質問での要求に直接答弁せず未署名です。