愛知民報

【16.12.04】日本共産党愛知県委が省庁交渉(下) リニア新幹線認可取り消しを要求

 日本共産党愛知県委員会は11月17日、リニア新幹線工事から暮らしと環境を守ることを求めて、国土交通省の担当者と交渉しました。同党国会議員、すやま初美同党県常任委員、地方議員、リニア新幹線建設に反対する住民運動の関係者が参加しました。交渉の内容を紹介します。

 

16項目で

【国土交通省】交渉団が国土交通省に提出した要望は16項目。トンネル掘削、残土の輸送・処理、工事車両の通行による騒音・振動・粉じんによる健康被害、道路渋滞の深刻化など沿線住民から出されている不安に国が抜本対策を講じることを強く要求しています。

立ち退きに怒り

 交渉に参加した名古屋駅周辺の住民から、JR東海による強引な立ち退き交渉に怒りが語られました。「家の中まで上がり込み、隅々まで調査された。将来設計が持てない」「住み続けたいと訴えたら、JR側は土地収用の話をちらつかせた」という切実な声でした。党側はJRの「建設ありき」の対応を改めるよう国の指導を求めました。

環境悪化懸念

 工事残土の問題では、瀬戸市、春日井市の住民が「児童の通学路になっている狭い道路で大型ダンプカーが残土を積んで走るのは危険」という住環境悪化への懸念や、「来年1月に工事が始まるというのに、いまだに周辺自治体に運搬ルートが明かされない」とJRの説明不足を告発する発言がありました。ダンプカーが走る道路や搬出先周辺での環境影響評価の実施を求めました。
 国土交通省側は、「土地買収や道路の拡張などはJR東海と自治体の責任」と回答。
 これに対し党側は「国は3兆円の公的資金投入を決め、『全額JR自己負担』という当初の前提が崩れている。国には責任がある。採算面でも環境面でも不安が大きいリニア事業は中止すべき」と述べ、JR東海の工事実施計画の認可を取り消すことを要求しました。