愛知民報

【16.11.27】守山自衛隊ウォッチャーが語る 殺し殺される危険 「駆けつけ警護」付与 守山区平和委員会 城下英一さんに聞く

 安倍政権は15日の閣議決定で、国連PKO(国連平和維持活動)に派兵する自衛隊部隊に「駆け付け警護」と「宿営地共同防護」の新任務を付与しました。20日、陸上自衛隊(陸自)第9師団(青森市)を中心とする部隊が南スーダンに向かいました。新任務により自衛隊が「殺し、殺される」危険が高まります。憲法9条破壊か、擁護・発展かの歴史的岐路に立っています。第10師団の守山駐屯地がある名古屋市守山区で自衛隊の調査・監視活動をおこなっている城下英一さん(守山区平和委員会)に話を聞きました。

 ―守山駐屯地の監視で感じることは。

 城下 駐屯地の一般公開を見学していますが、模擬戦闘の訓練が年を追うごとに実戦的に変わっているように感じます。

 ―それは、海外派兵を想定した「殺し、殺される」訓練ではありませんか。

 城下 テロ対策・市街戦を想定し近接した敵を攻撃する訓練がされていました。敵に銃撃されて負傷した隊員を運び出す姿は、まさに戦場を思わせるものでした。
 ―具体的には?

 城下 ビルに立てこもる敵兵を手榴弾で攻撃して殺傷するシーンには仰天しました。戦争しないと定めた憲法9条からかけ離れた武力行使そのものです。

 ―守山の部隊は陸自第10師団です。南スーダンへの次の派兵が心配です。

 城下 第10師団の施設隊は昨年11月下旬から半年間、南スーダンで活動しました。駆け付け警護などの新任務はまだ付与されておらず6月、無事に帰国しました。南スーダンは内戦状態です。憲法9条を持つ日本の自衛隊はすぐに撤退すべきです。

 ―安保法制=戦争法発動に反対する声が続いています。

 城下 守山には自衛隊員とその家族が多数います。自衛隊員は全員、「日本国憲法を遵守」するという服務の宣誓をして入隊しています。平和委員会がおこなっている「南スーダンからの撤退」「自衛隊員の命を守れ」という宣伝に共感が寄せられています。

 ―自衛隊監視活動の報告会や憲法と平和を守る学習会の講師を引き受けていますね。

 城下 陸自守山駐屯地の様子を10年以上撮りためた写真があります。積極的に語り広げたいと思います。

戦争法廃止 憲法守れ 地域総行動

 
 17日、戦争法廃止!憲法を守り生かす守山共同センターと守山地域労働組合連合は、戦争法廃止、働くルール確立、社会保障充実などを求める守山地域総行動をおこないました(写真)。名鉄小幡駅前での集会後、「自衛隊を南スーダンから撤退させよう」「安倍改憲ノー」と唱和しデモ行進しました。

南スーダンPKO

 2011年にスーダンから分離独立した南スーダンで展開する国連平和維持活動。自衛隊は12年から参加。道路や橋梁など施設建設が主な任務。現在は第10次隊。陸自第10師団は第9次隊に参加した。自衛隊が駐留する首都ジュバでは今年7月大規模な武力衝突が発生。PKO参加の外国軍部隊の撤退が相次いでいる。自衛隊派遣のPKO5原則は崩壊している。