愛知民報

【16.07.24】『下流老人』脱却の展望 憲法25条の重要性強調

 20万部を超えるベストセラー『下流老人』の著者・藤田孝典氏(聖学院大学人間福祉学部客員准教授)が、愛知県労働組合総連合(愛労連)女性協議会総会で講演しました。
 藤田氏は、日本の貧困率は16・1%でOECD加盟国中6番目の高さ、65歳以上の高齢者の貧困率は22%、高齢単身の男性は38・3%、女性は52・3%だと告発。「高齢期は誰もが貧困に陥る可能性がある」と語りました。
 同氏は、若者の貧困も深刻と指摘。15歳―39歳の死因トップは?自殺?。「こんな国は日本しかない。若者たちは、ブラック企業や奨学金ローンなどで避けることができない貧困に追い詰められている」と告発しました。
 そのうえで、「日本国憲法第25条が、すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する、国はすべての生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進につとめなければならない」と定めていることを紹介。「貧困の広がりによって憲法25条が形骸化されている。まずこの条文に近づける社会にすることが重要」と力説しました。