愛知民報

【16.07.24】参院選記者座談会 (下) 市民と野党の共闘セカンドステージへ

すやまさん健闘

 A 改選定数が3から4に増えた愛知選挙区は、自民現職、公明新人、民進の現職と新人が当選した。日本共産党の新人すやま初美さんは及ばなかった。
 B すやまさんは、30万2489票を獲得した。日本共産党の新たな躍進のはじまりと言われた13年の前回参院選の得票を3万1千票増やした。共産党が愛知選挙区で30万票を越えたのは12年振り。躍進の基調は続いている。

安倍政治ノー

 A 自公は2議席を取ったが、弱さも見えた。
 B 自民党は公明新人に票を回した。衆議院の1小選挙区当たり1万票、15選挙区で15万票を公明に回すと言われていたが、その通りだった。
 C 公明は党としての支持が減っている。前回の参院選より比例票を2万8千票減らした。自民が政権維持と与党の2議席確保のため、公明を助けた。
 B 政治論戦でも与党側は「逃げ」だった。大争点の安保法制や憲法問題を避け続けた。自公などの改憲勢力が改憲発議に必要な3分の2を占めたが、国民・県民は9条破壊の改憲を「白紙委任」したわけでない。安倍暴走政治ノ―は変わらない。

自力不足

 A すやまさんは議席獲得が期待されたが。
 B 「中日」紙は、「中盤で、須山が民進をリードしていると伝えられると、『共産だけには負けられない』と民進。公明も『共産との一騎打ち』と陣営の引き締めを図った」と書いた。
 C 政党間の激戦を突破する力が求められる。強く大きな党づくりは日本共産党の大きな課題だ。18歳選挙権になった。若者への働きかけもいよいよ大事になっている。

未来ひらく

 A こんどの参院選の特徴は、野党と市民が共闘して安倍自公政権とその補完勢力に対峙したことだ。
 B 安保法制・戦争法反対に立ち上がった学生、ママ、学者ら広範な市民が「市民連合」をつくり、野党共闘を後押しした。
 C 「市民連合」は参院1人区の野党統一候補実現に大きな役割を果たした。複数区の愛知でも、安保法制廃止・立憲主義回復・安倍改憲阻止で一致する野党候補を推薦した。
 B 与党の「野党共闘は野合」との攻撃にたいし、日本共産党の志位和夫委員長は「野党共闘は野合でなく希望」だと切り返した。
 A 参院選後の19日夕、若者グループ「Stop  it  ABE  Nagoya  Action」が名古屋駅前で街宣行動をおこなった。11の参院1人区での野党共闘の勝利を「成功」と評価し、次の衆院選を見据えた行動だ。
 B メンバーは、「こんどの参院選は市民と野党の共闘のプロローグ、はじまりにすぎない。衆院選に向けてセカンドステージに突入する。いよいよ市民の出番。もっと野党共闘を」と訴えた。
 C 希望ある未来をつくる新しい動きがはじまったね。