愛知民報

【15.06.21】柳澤協二 元内閣官房副長官補 安保法制を厳しく批判 「絶対に犠牲者が出る」

 尾張旭市を中心に憲法擁護の共同を広げる「九条の会・尾張旭」は6日、同市内で、集団的自衛権と日本の安全をテーマにした市民集会を行い、約300人が参加しました。
 元防衛官僚で、イラク戦争時に自衛隊のイラク派遣を統括した元内閣官房副長官補の柳澤協二氏が講演しました。柳澤氏は国会で審議中の安保法制(戦争法案)について、「主権者が理解できない法律をつくってはいけない。強行採決するなら、政権の終わりの始まりだ」と厳しく批判しました。
 柳澤氏が講演で、陸上自衛隊のイラク派遣の現場で起きていたことにふれた部分を紹介します。

 陸上自衛隊がいたイラクのサマワは比較的平穏な田舎町でした。自衛隊は水を配ったり医療の支援をしたりしていました。地元と意思疎通もしていました。
 それでも宿営地に20発以上ロケット弾が飛んできました。路肩に設置し遠隔操作で爆発する爆弾で車が破損したこともあります。
 自衛隊は2006年7月、1人の犠牲者も出さずに帰ってきました。私は記者会見に臨む小泉首相に「大事なのはこちらから1発も撃たなかったことなんです」と申し上げました。
 イラクに派遣された1万人のうち29人が自殺しています。
 もうやらせたくない。あれ以上のことをしたら絶対に犠牲者が出ます。私の実感です。