日本共産党名古屋市議団は8日、同市中村区で「リニア新幹線と名古屋のまちづくりを考える学習交流会」を開きました。
JR東海は、2027年開業をめざす東京―名古屋間について約9兆円の建設資金を投じると表明し、昨年9月にルートを公表しました。愛知県内は全線が深さ40?以上の地下トンネルです。
日本共産党の寺沢亜志也・政策委員会副責任者が講演し、「需要と災害対策、電力消費のいずれでも大義がない計画だ」と正面から批判しました。
JR東海の9兆円自己資金の投資について同氏は「民間会社がやることだからではすまない。トンネルが多く難工事が予想され、工事費が膨らむ可能性もある。業績が悪化すれば税金投入もありうる」と指摘しました。
寺沢氏は、安倍首相が今年の年頭会見でリニア中央新幹線をバックアップすると述べた問題に触れ、「税金投入の『後出し』の危険がある。すでに用地買収に関わる不動産取得税や登録免許税を非課税にする動きがある」と強調しました。
山口清明名古屋市議は、市の次期総合計画について「リニア開通を新たな理由にした名古屋駅と周辺の大型開発を狙うものだ」と批判。さらに「名古屋駅に一極集中させることで、帰宅困難者の増大など防災上の懸念も生じる」と指摘し、リニアに頼らない街づくりを訴えました。
会場から「トンネル内で列車が止まったときに安全に脱出できるのか心配」「工事用のダンプカーの出入りで住環境が悪化する」などの声が出ました。