愛知民報

【13.07.14】「暮らせない」と悲鳴 最低賃金改善は急務

愛労連が「時給マップ」

 
 愛知県内のコンビニや喫茶店、クリーニング店で働くほとんどの労働者が、県の最低賃金(時給758円)と同程度しかもらっていない―。愛知県労働組合総連合(愛労連)が3日に行った時給調査で分かりました。

 県内各地の求人情報誌を集めて時給をチェックし、自治体ごとの「時給マップ」をつくりました。

 ほとんどの求人が時給900円以下。「研修期間」の口実で、時給687円(南区内装業)、日給・8時間で6000円(東区警備員)と、事実上の最低賃金法違反の募集もありました。

 調査にあたったコープあいち労組の野々山大輔書記長は「名古屋市中区でも700円台が目立ち驚きました。賃金はまったく上がっていない。みんなが最低限の暮らしをするために1000円以上の時給実現は待ったなしです」と話しました。

 時給758円を月収換算すると13万3408円。社会保険料と税金、家賃相当額を差し引くと約6万3000円です。この金額で1カ月間暮らせるか。愛労連が2月に行った生活体験では、挑戦者約80人のうち30人以上が途中で脱落。最後まで体験した46人中30人が赤字でした。

 体験者の尾崎よしみさん(57)は「シャンプーを水で薄めて使い、外出はお金がかかるので、極力家にいた」、伊藤栄一さん(46)は「服は買わず、外出や飲みに行くこともできない。楽しみがなかった」と話しました。

1000円以上を

 愛知県の今年の最低賃金を決める審議会が3日にスタート。愛労連は時給1000円まで242円の賃上げが必要とし、時間で242分の座り込みを名古屋市の繁華街で行いました。

 時給1000円以上への最賃引き上げを求める宣伝、署名集め、時給マップの作成、政党への要請、最賃審議会の傍聴にも取り組みました。