愛知民報

【13.01.27】安倍自民党 改憲「国防軍」に緊張

「9条守れ」活発化

 憲法改定、国防軍設置をねらう安倍政権に、県民の不安が広がり、9条を守り生かす運動が新たな高揚を見せています。

まず集団的自衛権

 「集団的自衛権の行使」とは、同盟関係にある米軍への攻撃を日本への攻撃と見なし、自衛隊が米軍と一体で戦争すること。

 自衛隊はイラク戦争支援のような米軍の兵員や物資の空輸にとどまらず、前線で武力を使うことになります。

 安倍政権は、まず、集団的自衛権の行使にむけた解釈改憲と、憲法96条が定めている憲法改定の発議要件の緩和――衆参各3分の2の賛成を2分の1に引き下げ、9条改定にすすもうとしています。

 戦力不保持・交戦権否認の9条2項を廃止し、自衛隊を他国を侵略できる軍隊に変えることがねらいです。

県内基地 海外派兵常態に

 イラク派遣など愛知県内の自衛隊の海外出動が常態化しています。 

 日米の戦闘機に燃料を供給する空中給油機の小牧基地配備、伊勢湾での機雷戦訓練、陸自第10師団の「戦略機動部隊」化…。米軍と一体になった自衛隊の戦闘態勢が準備されています。

兵器産業 軍拡に期待

 日本防衛装備工業会・佐藤育男会長(日本製鋼所社長)「新年になり、(安倍政権誕生で)明るい兆しが生まれつつある。11年ぶりに防衛関係費の増額を大いに期待する。武器輸出三原則の見直しに伴う前進をはかってほしい」(1月10日)=日本製鋼所は自衛隊の大砲と原子炉部品のメーカー=

●日本最大の拠点

 愛知県は、兵器の生産拠点になっています。
 小牧市の三菱重工業では戦闘機やミサイルを生産。
 清須市の豊和工業は銃砲のトップメーカー。迫撃砲や小銃を造っています。
 武豊町の日油はロケット推進の火薬を製造。トヨタ自動車は軍用車両を生産しています。

●兵器売り込み

 昨年、愛知で開催された「国際航空宇宙展」には米国の航空兵器の大企業が参加。他国を侵攻できる垂直離着陸輸送機オスプレイや無人偵察機を売り込みました。
 安倍政権は自衛隊にオスプレイや無人偵察機を配備する方向です。

自民党の総選挙政策

○集団的自衛権行使。
○米国の新戦略に連動した自衛隊の役割強化と拡充。
○憲法改定により自衛隊を国防軍とする。

監視の目広げよう 愛知県平和委員会 横江英樹さん

 愛知は兵器を供給するのになくてはならない拠点です。
 三菱重工は次期主力戦闘機、F35の製造・開発に参画します。部品企業も含めてアジアの製造拠点になるでしょう。来年度予算にオスプレイ調査費がつきましたが、川崎重工、富士重工なども含め無関係とは言えません。監視の目を強めていきます。

参院選で“ノー”を 日本共産党参院 愛知選挙区予定候補 もとむら伸子さん

 国民は安倍自民党の改憲政策を信任していません。安倍政権発足後の世論調査でも憲法改定反対が多数です。
 しかし国会では、自民・公明、維新、「みんな」が改憲連合を形づくり、参議院の多数を取ろうとしています。
 夏の参院選は憲法を守る重大な選挙です。9条を守りぬき、命を大切にする日本の政治をつくる決意です。

各地講演会や宣伝・署名

 県内で憲法擁護の平和運動が活発になっています。
 憲法改悪反対愛知共同センターは19日、九条の会事務局の渡辺治・一橋大学名誉教授を招き、講演会を開きました。9条を守る署名の県民過半数獲得をめざしています。
 県内130の地域・職場・分野につくられている「九条の会」は自民党改憲草案を批判し、9条の今日的意義を広めるなど平和憲法の擁護を訴えています。「あいち九条の会」は2月23日に同会結成8周年のつどいを開きます。 
 日本軍「慰安婦」問題を否定し侵略戦争を正当化する動きにたいしても内外からきびしい批判がおきています。