愛知民報

【13.01.06】新春記者座談会 反動的逆流VS国民運動 二つの流れの対決

 昨年暮れの第46回衆議院選挙の結果と新年の県民運動の課題を本紙記者が語り合いました。

虚構の大勝

 A 自民党の大勝は“虚構”といえる。政党支持をあらわす比例代表で、自民党は大敗した前回よりさらに約218万5千票、公明は約93万7千票減らした。民主党が沈没し、相対的に自公が浮上しただけだ。国民は自公政権の復活を望んだわけでは決してない。

 B 自民大勝の要因は、民主党への幻滅、4割の得票で8割の議席を独占する小選挙区制、巨大メディアの誘導にあると思う。

 C やはり「自民も民主もダメ」が得票に表れた。「2大政党」の破たんがすすんでいる。

タカと金権

 A 多くの有権者が最後まで投票先に迷っていた。「第3極」にも期待できなかった。

 B 「第3極」の実態は古い自民党型政治そのものだった。「維新」の看板は石原氏、「未来」の仕掛け人は小沢氏。どっちも元自民党で、タカ派と金権派。

 C 「維新」は衆議院で第3党になったが、愛知の小選挙区で全敗した。大村知事の中京維新の会は候補者を擁立できず、空中分解した。
 「未来」は惨敗だった。公示前の62議席から9議席に減った。未来に合流した河村名古屋市長の減税日本は全敗した。

正面対決

 A 議席倍増をめざした日本共産党が9議席から8議席に後退したのは残念だ。

 B 新しい政治を模索する広範な有権者を引きつける自力をつけることが課題だ。模索に新しい政治への胎動があるのだから。

 C 比例東海で佐々木憲昭議員の議席を確保したことは、安倍自公政権の危険な動向を考えると大きな意義をもっている。

 A 志位和夫委員長は、自公を中心にした増税・改憲連合と正面から対決すると闘争宣言した。

正念場

 A 新年の焦点は、安倍自公政権の反動的逆流と対決する国民運動の前進、そして、参院選での日本共産党の反転攻勢だろう。

 B 同感だ。安倍政権のデフレ対策はまちがっている。来年4月からの消費税8%増税を許さないたたかいと内需拡大による経済再生をめざす運動は正念場だ。

 C 自民・公明が原発再稼働で合意したが、停止のまま廃炉にするのが一番現実的。日本は地震列島。危険な原発ばかりで、“核のゴミ”もパンク寸前。総選挙後も官邸前や県内で「即時原発ゼロ」の運動が続いている。

 B 自民党はアメリカの圧力に弱い。TPP交渉にのめり込む危険が強い。農業や医療などの団体と日本共産党とのTPP参加反対の“一点共闘”は発展していく。

 A 民自公3党が昨年の通常国会で消費税増税法とセットで強行した「社会保障制度改革推進法」の具体化を許さないたたかいも重要になっている。

 B 社会保障を自己責任と家族・国民の助け合いに変質させる、とんでもない悪法だ。

 C 地方自治体の福祉も、愛知県の医療費無料制度の有料化など後退の危険がある。

 A 自民党は、政権公約に「国防軍」設置、憲法改定をうたった。改憲の発議要件を衆参両院の3分の2以上から過半数にゆるめようとしている。

 B 9条擁護の国民多数派形成は緊急の課題になっている。

参院選へ

 C 各党は夏の参院選に向けて走っている。 愛知の日本共産党は昨年の総選挙で2010年参院選の比例得票を約2万4千票伸ばした。この前進を足がかりに7月の参院選に向けて党勢と支持の拡大に全力をあげている。

 A 日本の希望ある未来を開く新年のたたかいが始まったね。