愛知民報

【12.09.02】猛暑だったけど やっぱり浜岡なしでやれた 政府は原発ゼロの決断を

 
 原発なしでも電力が足りることが、この夏の猛暑のなかで証明されました。関西電力では最高の8月3日の需要は最大2682万??、供給は2999万??で、大飯原発が動かなくても81万??の余裕がありました。中部電力では最大需要が供給力の93%にとどまりました。すべての電力会社で供給力が需要のピークを上回りました。野田首相と関西電力の?電力不足?の主張は、原発押し付けの脅しにすぎません。政府は原発ゼロを決断すべきです。

 愛知県境から55??東の中部電力浜岡原子力発電所は「世界一危険」といわれます。東海地震の想定震源域の真上にあり、福島原発事故後、津波対策が不足しているとして運転が停止されています。

 国の「南海トラフ巨大地震モデル検討会」は3月末、浜岡原発周辺で従来の想定を上回る震度7、津波高21?の想定値を公表。国会の福島原発事故調査委員会は、事故原因は津波だけでなく地震の可能性も「否定できない」と結論づけました。

 中部電力は2014年の再稼動を計画していますが、東日本大震災のマグニチュード9規模の地震が発生すれば、浜岡原発は地震と津波の両方で破壊される危険があります。

 政府が「エネルギー・環境戦略」検討作業で行った各地の意見聴取会では参加者の81%が原発ゼロを支持。約8万9千件集まった意見公募でも、これまでの集計で89%が原発ゼロを支持しています。

 政府に浜岡原発の再稼動中止、原発ゼロの日本に向かう決断を求める国民合意になっています。
 

“世界一危険”廃炉しかない

 静岡県では「浜岡原発廃炉・日本から原発をなくす」運動が広がっています。昨年7月には静岡市で浜岡原発の永久停止・廃炉を求める「ひまわり集会」が5000人で開かれ、11月には4000人の浜岡原発包囲集会が行われています。

 浜岡原発から半径30?圏内にある13自治体の首長が全員、同原発の再稼動を認めない態度をとっています。

安心・安全へがんばる 日本共産党衆院比例東海予定候補 かわえ明美

 浜岡原発は、私が活動する東海地方唯一の原発で、全国最大級規模です。浜岡は1999年に駿河湾地震の被害で2カ月間運転を停止しましたが、停電はありませんでした。

 野田政権と民主、自民、公明は、国民の運動で停止している原発を再稼動させようとしています。圧力をかけているのは財界です。

 橋下「大阪維新の会」も大飯原発再稼動を求める関電・財界の圧力に屈しました。
 原発ゼロへ流れを変える今こそ、財界にモノが言える共産党の出番です。

自然エネルギーに転換を 市民・中小企業の共同で 名城大学教授 井内尚樹さん

 福島第1原発事故は、人類・自然と原発は共存できないことを示しました。原発ゼロは当然のことです。

 エネルギーは中部電力など、地域独占企業が全量提供するのではなく、地域資源(太陽光等を含む)を活用し、市民・地域中小企業自らが生産する方向へ向かうべきです。

 現在、大企業は全量買取制度を利用し、市民に負担だけ押しつけ、高額の利益を長期間確保しはじめました。愛知県では、中小企業経営者有志が、飯田市の「おひさまファンド」の力を借り、市民出資を募るファンドを設立しました。

 市民が出資し、中小企業がパネルを設置(仕事おこしと雇用創出)し、市民に利益が還元される地域経済循環をめざすべきです。