愛知民報

【12.03.04】河村名古屋市長 南京大虐殺を否定 日本共産党名古屋市議団が抗議「国際的信用を失墜」 

 
 河村たかし名古屋市長による南京大虐殺否定発言が、名古屋市と南京市の友好関係に深刻な影響を及ぼしています。

 発言は2月20日、名古屋市と友好都市の関係にある中国・南京市の訪問団が名古屋市役所を表敬訪問した際に行ったもの。南京市政府は翌日、名古屋市との交流を一時停止すると発表しました。

 日本共産党名古屋市議団(わしの恵子団長)は2月21日、河村市長の発言に抗議し、撤回を求める申し入れを行いました。その大要は、次のとおりです。

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 1937年、南京市において、日本軍による非戦闘員を含めた殺害、略奪行為があったことは、否定できない歴史的事実です。日本政府も2006年、当時衆議院議員だった河村たかし氏が提出した質問趣意書に対する政府答弁書で、「1937年の旧日本軍による南京入城後、非戦闘員の殺害又は略奪行為等があったことは否定できないと考えている」と認めています。このように、「南京(大虐殺)事件」があったかなかったかは、議論の余地のないものです。

 225万名古屋市民を代表する市長が、個人の特異な歴史観によって、歴史的事実とも政府見解とも異なる発言を、公式の場で行うことは許されるものではありません。

 市長が行った発言は、本市の国際的信用を失墜させるものであり、友好都市提携以来30年以上にわたる本市と南京市の友好関係を著しく損ない、平和と繁栄を願う両市市民の草の根の努力を踏みにじるものでもあります。

各市民団体も抗議

 各市民団体も市長発言を問題視。日本中国友好協会県連合会、県労働組合総連合、県平和委員会、県原水協、新日本婦人の会県本部、慰安婦問題の解決をすすめる会などが抗議文を提出しています。

 新日本婦人の会愛知県本部・安藤満寿江会長の話 女性と子どもは真っ先に旧日本軍がおこなった侵略戦争の犠牲になりました。
 市長は南京大虐殺も「慰安婦」も、侵略戦争の事実までも否定しています。日本とアジアの女性たちは、市長の発言を絶対に許さないでしょう。

 愛知県商工団体連合会・太田義郎会長の話 南京市の名古屋市との交流停止は、貿易や観光など名古屋経済に大打撃となります。平和でなければ外国との商売は成り立ちません。歴史の事実を否定することで、名古屋がイメージダウンすれば、日本全体の損失になりかねない。

南京大虐殺

 1937年12月、中国への侵略戦争で、旧日本軍が当時の中国の首都・南京を攻略・占領し、捕虜や一般市民を虐殺した。市民の殺害、強姦、放火、略奪などの残虐行為は占領後2カ月続いた。日本軍による虐殺は国際的に認められている。