愛知民報

【09.05.03】雇用促進住宅廃止の閣議決定 「見直し含め検討」 佐々木憲昭衆院議員に大臣答弁

 
 独立行政法人雇用・能力開発機構が運営する、雇用促進住宅の廃止反対の運動が広がっています。

行く所がない

 政府は2021年度、までに雇用促進住宅の民間移譲を含め、全廃方針を決定。これをうけて同機構は11年度までに3分の1の住宅を廃止するとした中期目標を決定しました。愛知県内では15住宅1818戸が廃止対象にされました。

 入居者から「70歳で年金だけ。出て行けと言われても行く所がない」(汐止住宅)「今年12月に契約が切れる。更新できるか不安」(木場住宅)との声が出ています。

廃止目標を削らせる

 日本共産党の佐々木憲昭衆院議員は2月25日、衆議院予算委員会で機構を所管する舛添要一厚生労働大臣にたいし、「雇用促進住宅廃止の閣議決定の見直し」を求めました。

 舛添大臣は「閣議決定の見直しを含め検討する」「機構の『中期目標』を削除し、必要な間はすべての住宅を積極的に活用する」と答えました。

居住者が共同行動

 日本共産党国会議員団の呼びかけで4月23日、廃止決定の撤回を求める全国共同行動がおこなわれました。

 居住者が政府に1万人の署名を渡しました。この行動には日本共産党の佐々木憲昭衆院議員、せこゆき子元衆院議員らが参加しました。

 最近の雇用情勢悪化を受け、政府は3月30日、廃止決定済の住宅の活用と「少なくとも3年間」は入居者の退去促進は延期すると発表。今回の要請で厚労省の担当者は入居者の最終退去期限について「延長期間3年にやむおえない事情1年を加え、14年11月になる」と答えました。

 参加者らは「3年延期でなく廃止決定の撤回を」と強く求めました。

 【雇用促進住宅】雇用保険の保険料で整備・運用する住宅。エネルギー政策の転換による炭鉱離職者の雇用と住宅確保を目的に1961年から入居開始。90年代に政府は廃止方向を打ち出しました。07年12月に廃止計画を前倒して売却業務の民間委託など廃止を促進しています。