愛知民報

【17.09.03】被爆の実相知らせる 全小学校区でパネル展 原爆写真展 田原市実行委員会 安間慎さん

 田原市の全20小学校区の市民館で毎月「原爆と人間」パネルの展示がおこなわれています。今年4月から来年11月まで巡回し開催する取り組みです。実行委員会の安間慎さんに聞きました。(本紙・錦見友徳)

 

―きっかけは

 核兵器禁止条約です。昨年12月23日の国連総会で「核兵器禁止条約の締結交渉を開始する決議」が可決され、今年7月7日に条約が採択されました。私は50年間、草の根で原水爆禁止運動を続けてきた者として大きな感動を覚えました。
 国際社会は核兵器の非人道性に注目しています。その背景には、被爆者と市民の草の根の運動がありました。私は地域で「被爆の実相」を知らせる活動をやろうと決意しました。

 ―取り組みの工夫は

 「原爆と人間」パネルは、市所有のものを借りて展示(私個人のはあえて使わない)。地域の人が戦争を身近に感じる「渥美半島の戦争遺跡」のパネル(田原市博物館製作)も同時展示しました。田原市の後援をもらい、市の広報や回覧板で全戸に案内しています。

 ―参加者は

 現在4カ所目で延べ約300人です。回覧板を見て来た人は多く、年配者は自分の戦争体験を語っていきます。
 伊良湖灯台が山の上にないのは、伊良湖岬に旧日本軍の射撃場があったためです。和地町海岸には本土決戦に備える機関銃を置いた岩やコンクリート製の弾薬庫が残っていますが、地元でも知られていません。

 ―子どもらも

 各市民館では、小学校の放課後児童クラブがおこなわれています。展示は、同クラブを利用する児童の夏休みの自由研究としても活用されています。

 ―草の根から

 来年11月までに全ての市民館を巡回します。回覧板を通じ田原市2万2千世帯すべてに核兵器禁止条約とヒバクシャ国際署名の内容が届くことになります。胸躍る思いです。