愛知民報

【17.07.23】局地豪雨対策急務 遅れる中小河川の改修

 過去に例のない局地豪雨が各地で頻発しています。14日は犬山市、小牧市など愛知県北部で1時間あたり120㍉を超える豪雨により五条川、合瀬(あいせ)川、薬師川が氾濫しました。今回あふれた川は庄内川、新川の支流の中小河川。河川の長さが短く、急激に増水する恐れがあります。

 本紙記者は15日、集中豪雨による五条川の氾濫で浸水被害があった大口町に入りました。同町の豪雨被害は床下浸水4棟、道路冠水4カ所。浸水地域の多くは田畑で人的被害はありませんでした。
 同豪雨による愛知県下の被害は、軽傷1名(扶桑町)、土砂流入による通行不能(犬山市1カ所)、床上浸水11棟(犬山市1、小牧市1、扶桑町9棟)、床下浸水80棟(犬山8、小牧市15棟、大口4、扶桑町53棟)です(県発表)。
 「何度も同じところが氾濫して大変ですね」という記者の質問に、大口町民は「ここはいつもあふれる場所」と話します。
 五条川は愛知県が管理する一級河川。入鹿(いるか)池から流れ出る五条川の全長は28・2㌔。犬山市、大口町、岩倉市、一宮市、北名古屋市、清須市、あま市を縦貫。扶桑町、江南市、稲沢市も流域に含まれます。2000年の東海豪雨で五条川の本流である新川は河川激甚災害対策特別緊急事業に指定され、4年間の改修で治水安全度は向上しました。
 しかし、支流の五条川は07年に整備計画を策定しましたが30年間もかかる計画。現状は新川に合流する下流部から2・6㌔しか進んでいません。
 愛知県尾張建設事務所河川整備課の職員は「地元からの要望は承知しているが予算の制限がある。国が予算をつけてくれれば河川改修はすすむ」と話しました。  (錦見友徳)

土砂災害警戒区域 県内9350カ所

 愛知県内には急傾斜地崩壊、土石流、地すべりで、人家に被害を及ぼす危険がある「土砂災害危険カ所」が約1万1000カ所あります。うち、県が土砂災害防止法に基づき指定する「土砂災害警戒区域」は、6月末現在、9350カ所が指定されています。
 同法は都道府県が地形、地質などを調査し、発生する恐れがあるところを「警戒区域」に、著しい被害の恐れがあるところを「特別警戒区域」に指定します。
 市町村には、地域防災計画に警戒避難体制を盛り込み、ハザードマップで住民に周知徹底するよう義務付けています。

 

支援制度案内 名古屋市東区共産党矢田支部

 名古屋市内では12日深夜、局地的な大雨に見舞われ、名古屋市東区の矢田4・5丁目では床下・床上浸水被害が発生しました。
 同区の日本共産党矢田支部と村瀬和弘愛知民報記者は14日、現地を訪問。住民、商店主を見舞い、被害状況を聞きました。
 村瀬氏らは、災害時の税金や国民健康保険料の減免、見舞金など支援制度の一覧を印刷したビラを配布。受け取った住民は「知りませんでした。早速区役所に相談してみます」と話していました。