愛知民報

【18.08.12】戦車搭乗、格闘訓練、職場体験、学園祭参加、隊員募集 教育に浸透する自衛隊

 安倍自公政権による2015年の安保法制=戦争法強行からまもなく3年を迎えようとしています。同法は集団的自衛権の行使を容認し、日本の自衛隊が米軍と一体になって海外で武力行使することを認めています。名古屋市守山区に司令部を置く陸上自衛隊第10師団は有事に海外に緊急展開する戦略機動部隊になり、航空自衛隊小牧基地は海外派兵、米軍の後方支援基地になっています。防衛省・自衛隊は2017年版『防衛白書』で「質の高い人材を確保することが必要不可欠」とのべ、中学生や高校生への浸透を図っています。

 

 自衛隊員の募集は自衛隊地方協力本部がおこなっています。愛知県では本部のほかに12の地域事務所が置かれています。
 愛知地方本部のホームページによると、中・高校生向けの職場体験学習は年間約90校が実施。施設や装備品の見学、モールス信号、行進などの基本訓練、自衛隊の食堂での食事などを体験しています。武器を持った相手に素手で向かう「徒手格闘」も。
 陸自第10師団の駐屯地のある自衛隊守山地域事務所の広報紙は、職場体験学習で駐屯地を訪れた中学生が装甲車の体験搭乗や戦車の見学をしている様子を写真で報じています。
 県内の中学3年生の保護者のもとに陸自高等工科学校への入学案内が届いています。
 自衛隊は、隊員勧誘のために市町村の住民基本台帳の閲覧や名簿提出で適齢者の個人情報を得ています。

 

県民団体が抗議

 「憲法と教育を守る愛知の会」の小野政美さん(元小学校教員)の話

 戦争法施行後、自衛隊志願者が激減しています。早いうちに自衛隊への親近感を持たせ、子どもたちを刈り取る戦略です。
 集団的自衛権行使の自衛隊は海外で戦争する軍隊です。「教育から戦争が始まる」は本当の話です。

 新日本婦人の会愛知県本部の武智希副会長の話

 自衛隊の職場体験をしないよう、中学校に直接申し入れています。防災の名目で自衛官が学校で災害救援の話をしています。一方、危険な海外の紛争地域に行くことの説明はごっそり抜け落ちています。