愛知民報

【17.03.12】陸・海・空で自衛隊が公開イベント 海外参戦へ人材確保狙う ブルー インパルス 住宅地上で危険飛行

 陸、海、空の各自衛隊は3日から5日にかけて、愛知県内各所で一般公開のイベントをおこないました。いずれの会場でも、広報担当者による隊員募集がおこなわれました。安保法制=戦争法の強行成立後、入隊志願者は減少しています。同法制のもとで、自衛隊が市民への浸透を図り、隊員募集・勧誘を強めていることが浮き彫りになりました。
 

志願者向け実況

 航空自衛隊(空自)小牧基地で5日おこなわれたオープンベース(基地公開)のメーンは、アクロバット飛行隊・ブルーインパルスの展示飛行(曲技飛行)。同飛行隊は広報が任務で、小牧基地の所属ではありません。
 6機の飛行隊は機体からスモーク(煙)を出しながら編隊飛行や急旋回、急上昇を繰り返しました。場内のスピーカーからは観客向けの実況が流されました。実況の合間には「パイロットになるにはどうしたらいいか」といった志願者向けの解説もありました。
 ブルーインパルスの飛行に先立ち、自衛隊の輸送・兵たんの拠点である同基地に所属するKC767空中給油輸送機、C130輸送機の飛行がおこなわれました。

住民は反対

小牧基地の周辺は住宅密集地です。春日井、小牧、豊山の周辺2市1町の首長や春日井市の飛行場周辺対策協議会が反対しています。
 県内の平和団体、日本共産党は2月20日、防衛省と国土交通省に「航空法で禁じる人口密集地上空の曲技飛行で違法」と、飛行中止を要請しました。

兵たん拠点 春日井駐屯地

陸自春日井駐屯地の施設部隊のショベルカーやクレーン車を乗せたトレーラーの横を歩く見学者たち=5日、春日井市
 

模擬銃撃戦

 陸上自衛隊春日井駐屯地では、5日に一般公開がおこなわれました。同駐屯地は、補給・輸送部隊が所属する兵たん拠点です。同公開では守山駐屯地から迫撃砲を持ち込み実戦訓練がおこなわれました。
 敵が立てこもる建物の奪還や、模擬銃撃戦で死傷者が出た状況を実演しました。
 子どもたちが武器に触る場面もありました。

機関銃設置も 海上自衛隊「えんしゅう」

 
 海上自衛隊は3、4両日、名古屋港ガーデン埠頭で多用途支援艦「えんしゅう」を一般公開しました。
 同艦は、訓練の支援や物資の輸送を主任務としていますが、必要に応じ機関銃が設置できる構造です。
 一般公開と別に、自衛隊入隊の希望者に限った救命艇への乗船体験を実施しました。

名港管理組合に抗議 共産党 自衛艦「えんしゅう」入港で

 日本共産党の山口清明、高橋ゆうすけ両名古屋市議は2月27日、名古屋港管理組合に海上自衛隊の多用途支援艦「えんしゅう」(980?)の入港に反対する申し入れをおこないました。
 海自は従来、同港への自衛艦入港の理由は「乗組員の休養」としていましたが、今回初めて「広報」としました。
 山口議員は「自衛隊艦船の入港は、戦争放棄を定めた日本国憲法のもとで容認できない」と主張。高橋議員は「子どもが武器に触れる機会を与えること自体が問題だ」と述べました。