愛知民報

【16.02.07】浜岡原発再稼働ねらう 中電社長「安定、安価で地球環境にやさしい」!?

 安倍政権の原発再稼働推進政策のもと、中部電力の勝野哲社長は先月27日、「安定、安価で地球環境に優しい原子力の活用は不可欠」と語り、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の再稼働に意欲を示したと報じられています。再稼働に反対し原発ゼロをめざす県民から批判の声があがっています。

企業競争力

 中電社長は、他の電力会社の原発再稼働がすすめば、中電の企業競争力が低下するとして、東日本大震災後、全機運転停止中の浜岡原発再稼働の必要性を強調しています。
 企業競争力強化を優先させ、国民の安全を無視する暴論です。

ふるさと消滅

 「安定、安価で地球環境に優しい」―とんでもありません。
 東日本大震災の東電福島第一原発事故から5年。事故は収束も解決もしていません。
 事故原発の周辺地域は広く放射能に汚染されています。多くの周辺住民が避難生活を続けています。避難者数は9万9000人(1月16日現在・政府統計)。避難区域の小中学生は事故前に比べ7割減り、「ふるさとの消滅」といわれる深刻な事態になっています。
 原発の核廃棄物は「死の灰」です。安全に処理する方法がありません。出力100万キロワットの原発から1年間に出る核廃棄物は広島型原爆の1000発分に相当します。

世界一危険

 愛知県境から55??東に位置する浜岡原発は、愛知県にもっとも近い原発です。
 東海地震の想定震源域の真上にあり、「世界一危険な原発」と言われています。
 南海トラフ巨大地震の発生が予測され、浜岡原発の危険性はさらに高まりました。中電は巨大津波から原発を守るとして防波壁を建設しましたが、廃炉を求める声が広がっています。

電力はある

 福島原発事故後の政府の運転停止要請をうけ、中電が浜岡原発を停止してから5年近くになります。電力不足はおきていません。節電と自然エネルギー活用が広がるなかで、電力は足りています。原発再稼働をやめ、原発ゼロに向かうことが日本の希望ある未来を開く道です。

【浜岡原子力発電所】 静岡県御前崎市にある中部電力唯一の原発。発電設備は5機。トラブルが続出。2001年1号機で水素爆発。09年の駿河湾沖地震で4、5号機に故障が発生し緊急停止。1、2号機は耐震補強に費用がかかるとして廃炉作業中。日本最大級の6号機の建設計画がある。福島事故後、全機が運転を停止している。 

高浜強行に抗議 福島を忘れない!

 
 関西電力高浜原発再稼働にたいする抗議が1月28日夕、名古屋駅前で行われました。集った市民は「原発いらない」「未来のために原発やめろ」などとコールしました。 
 日本共産党の、すやま初美参院愛知選挙区予定候補、わしの恵子、しもおく奈歩両県議は同日、関西電力東海支社(名古屋市東区)に高浜原発3・4号機の再稼働中止を申し入れました