愛知民報

【14.01.26】安倍政権の「海外で戦争する国」づくり 愛知が侵略兵器生産拠点に

 「海外で戦争する国」へ軍拡路線を突進する安倍政権、アジア最大・最強の航空宇宙産業の集積をめざす大村県政、武器輸出もにらみ生産拡大へ動く愛知の軍需企業――。憲法の平和主義を破壊する危険な動きを許さない県民の運動が高まっています。
 愛知の軍需産業(監修・愛知県平和委員会軍事問題研究会、原水爆禁止愛知県協議会)

米軍戦闘機も 「敵基地攻撃能力」 F35 三菱小牧南で

 安倍政権が昨年12月に閣議決定した2014年度から5年間の「中期防衛力整備計画」(中期防)には、「敵基地攻撃能力」をもつ最新鋭ステルス戦闘機F35の28機導入が盛り込まれています。
 同機の組み立てを担当するのは、愛知県豊山町にある三菱重工小牧南工場。数百億円を投じて組み立てラインを新設する計画です。
 F35を開発した米ロッキード・マーチン社はそのラインで在日米軍の同型機の整備・修理を実施する計画と報道されています。
 同工場は県営名古屋空港や航空自衛隊小牧基地に隣接しています。07年に同工場で整備中の空自戦闘機が名古屋空港の滑走路に墜落する事故が発生しました。日米軍事一体化のもと、同空港の軍用拡大と事故増加への不安が高まっています。

武器輸出

 愛知の軍事産業は、航空兵器を中心に迫撃砲や小銃、銃弾、火薬も生産し、政府に輸出の全面解禁を求めています。トヨタは軍用車両をつくっています。
 尾張旭市にある旭精機は日本唯一の小銃弾メーカー。昨年、南スーダンで活動中の自衛隊が韓国軍に譲与した銃弾1万発は同社製と見られています。
 愛知の平和委員会と原水爆禁止協議会は昨年8月、パンフレット『愛知の軍事産業』を発行。軍事大国化を告発しています。

軍需産業都市

 大村県政がすすめる「アジア?1航空宇宙産業クラスター形成特区」構想は、世界的な軍需産業都市の米シアトル、仏トゥールーズに比肩する航空宇宙産業の集積を愛知につくろうというものです。
 県内に立地・設備投資する航空宇宙関連企業に、巨額の補助金交付、開発の規制緩和、税金の減免などの優遇措置をおこないます。
 県は、三菱小牧南工場の拡張支援のため、隣接する県有地の譲渡や補助金交付、不動産取得税の免除を検討しています。民間機の生産支援が前面に出ていますが、軍用機の生産拡大に直結しています。

県民の反撃

 安倍政権が昨年の臨時国会で強行成立させた秘密保護法をめぐり、県内の軍事産業や関係行政を秘密のベールで覆う「暗黒社会化」が指摘されました。
 同法成立後も廃止を求める動きが広がっています。航空宇宙企業が立地する愛知県飛島村の議会は同法廃止を求める意見書を全会一致で可決しました。共産党の橋本渉村議は「議員全員が国のやり方はひどいという認識です」と語っています。
 国会では、共産党の佐々木憲昭衆院議員や井上さとし参院議員が、戦争司令塔づくりの「国家安全保障会議」設置や武器輸出をきびしく批判しています。
 日本共産党は1月中旬に開いた大会で、「戦争する国づくり、暗黒日本への道を許さない国民的共同」を呼びかけました。
 同党や社民党、新社会党が参加する護憲共同組織「憲法と平和を守る愛知の会」は2月16日、名古屋市博物館で戦争国家に反対する講演会を開きます。