愛知民報

【14.01.26】リニア中央新幹線公聴会  環境悪化に危惧の声

 JR東海は最高時速500?で東京―大阪間を走るリニア中央新幹線の着工手続きを進めています。東京―名古屋間は2027年開業をめざし、昨年秋にルートを公表しました。全長286?のうち約256?がトンネルです。
 愛知県内では犬山市東部から小牧市、春日井市、名古屋市北部を通過し名古屋駅に。住宅や病院、工場、商業施設などの真下に深さ40?以上のトンネルが掘られます。5?おきに非常口(立坑)が設けられ、工事中は機械の搬入や掘削した土砂を排出する拠点にもなります。
 JR東海は昨年9月に環境影響評価準備書を発表。その後の同社の説明会で、住民から、工事によるダンプカーの出入りや完成後の列車通過に伴う住環境悪化などを懸念する声が出ています。
 愛知県の大村秀章知事が環境影響評価準備書についてJR東海に意見を述べるのに先立ち、県は11日に県民の声を直接聞く公聴会を開きました。
 公聴会では11人が発言し、環境破壊を危惧する意見が続出しました。春日井市の柳沢けさみさん(日本共産党愛知県議候補)は、戦前・戦中に同市内の地下に掘られた亜炭(低質石炭)坑の坑道跡が、「リニアのトンネル工事の影響で崩落するようなことがあれば、地盤沈下の原因になりうる」と強調。「ルートには活断層が多く、計画は無謀。リニア計画は白紙撤回を」と求めました。
 17日の名古屋市の公聴会で発言した江上博之さん(日本共産党名古屋市議候補)も建設反対を表明。名古屋市が、リニア開業を前提に駅前の大型開発を進める一方で、リニアのトンネル建設による自然破壊を問題視していないことを強調。市は市民への説明責任を果たし、JR東海に厳しい意見を述べるよう要求しました。