愛知民報

【13.09.08】ブラック企業なくせ ついに政治を動かした 厚生労働省が立ち入り調査

 長時間労働やパワーハラスメントに苦しむ若者たちが告発したブラック企業。日本共産党はユニクロ、ワタミなど企業名をあげて国会で追及し、ついに政治を動かしました。厚生労働省は、過重労働や法違反の疑いのある約4000社を対象に、9月の1カ月間立ち入り調査に踏み出しました。

愛知でも労組、共産党

 
 ブラック企業横行の背景には、政府・財界が進めてきた雇用の非正規化があります。

 愛知でも大手外食産業など、?ブラック?といわれる企業が多くの店舗・事業所を展開しています。

 愛知労働局が1日に行った無料電話相談では、125件の相談があり、朝9時から夕方5時まで6台の相談電話が鳴りっぱなしでした。主な相談内容は、賃金不払い残業、長時間労働・過重労働、パワハラでした。

 ブラック企業を根絶し、人間らしく働くルールを確立するたたかいが、愛知県内で広がっています。

 日本共産党愛知県委員会は、本村伸子常任委員を責任者とする「ブラック企業・雇用問題対策チーム」を設置しました。

 同チームは国会議員団と連携し、愛知労働局など行政機関への働きかけ、街頭宣伝、労働相談、経済団体への改善の申し入れなどを計画しています。

 愛知県労働組合総連合(愛労連)の労働相談センターは、長時間労働やパワハラ、病気休職時の解雇など、年間1500件以上の相談を受け、解決に協力しています。近日中にブラック企業問題で愛知労働局と意見交換する予定です。

 愛知働くもののいのちと健康を守るセンターは、過労死・過労自殺や?労働災害隠し?の根絶、労働環境の改善、「過労死防止基本法」の制定をめざす取り組みを進めています。

?人間らしい労働を? 若者たちに訴え

 
 日本共産党愛知県委員会は8月26日から3日間、JR名古屋駅近くの笹島交差点でブラック企業根絶を訴えました。

 27日には、2015年春の県議選に挑戦する北区の須山初美さん(34)、名古屋市議選に挑戦する中村区の藤井博樹さん(36)、南区の高橋祐介さん(34)、名東区の青木篤司さん(34)らがマイクを握りました。

 「連日深夜までの勤務で、みんな2~3年でやめました」「学校でも教員が日付が変わるまで仕事を強いられています」と自身の体験を語り、「死ぬまで働かせるようなやり方は許せません。人間らしく働けるルールをつくりましょう」と呼びかけました。

 訴えを聞いていた大学2年の男性(20)は「就職先がブラック企業しかないような実態をなくしてほしい。共産党に期待している」と話しました。

政治の責任で解決を 弁護士 水野幹男さん

 厚生労働省は9月を?ブラック企業?監督月間として、長時間労働や残業代不払いなど法令違反に対する監督指導を集中的に行います。若者たちが勇気ある告発を行ったことや、過労死の労働災害認定の前進などがつくりだした成果です。

 しかし、企業が証拠を巧妙に隠してしまうことが多く、違法の是正指導だけではたんなるキャンペーンに終わりかねません。

 ブラック企業に悩む当事者が声を上げて社会問題化し、政治が責任をもって解決することが求められます。