愛知民報

【11.12.18】河村減税 5%でも金持ち優遇 福祉犠牲変わらず 

 12月7日に閉会した名古屋市議会の11月定例会で、市民税10%減税条例案とこれを修正した7%案を否決された河村たかし市長は21日に臨時議会を召集、5%案を出します。

 10%と7%に「金持ち優遇」だと反対した公明党は一転5%に賛成するようです。市長側は公明党が賛成すれば可決の見通しが立つと、水面下で工作を続けてきました。
 しかし、5%であっても、所得制限なしに同一税率で減税すれば、大企業や大金持ちの減税額は巨額になります。

 以前、名古屋市議会が超党派でつくり市民に配ったビラは、「金持ち、大企業優遇の減税に本当に賛成ですか?」と、ずばり河村減税を批判。「(大金持ち)1千万円以上戻ってきたぞシメシメ!」、「(大企業)1億円以上ももうかっちゃった!ニヤニヤ!」と告発しています。市議会はビラを思い出すべきでしょう。

 5%案に低所得者対策はありません。7%案の時は市民税の均等割額3000円を1000円に引き下げる内容でした。今度の5%案は均等割も一律5%の減税。減税額は年間200円です。

 一方、福祉・生活支援事業の縮小がたくらまれています。市長は、女性会館や高年大学の廃止、敬老パス改悪をうち出した事業仕分けを「尊重する」と言っています。

 5%でも大企業・金持ち優遇、庶民犠牲の構図は変わりません。

「福祉解体減税だ」山口清明名古屋市議が反対討論 11月名古屋市議会

 
 名古屋市の11月議会最終日の7日、日本共産党の山口清明議員は、河村たかし市長の「市民税10%減税恒久化」条例案と、「減税日本」市議団が提出した7%修正案に反対する討論を行いました。大要を紹介します。 

 市長の「減税」の目的は何か。条例には、市民生活支援と地域経済活性化、将来の経済の発展とありますが、これは、修正案でも原案でもできません。

 一律減税は10%でも7%でも「大企業と金持ち優遇」で庶民支援にはなりません。減税額トップの人は1035万円、トップの大企業は2億2900万円なのに、納税者の過半数は1万円以下、赤字の中小企業はわずか5000円の減税です。

 修正案は、低所得者に若干の配慮をしましたが、大企業と金持ち優遇のまま。大企業や富裕層を名古屋に呼び込む河村「減税」は、所得制限を設けるわけにはいかないのです。

 市長は、10%減税は世界とたたかえる強さと魅力を備えた都市への一歩と言いましたが、庶民の苦しい生活は眼中になく、あるのは大企業と金持ち応援の“強い名古屋”づくりだけです。

 河村「減税」のもう一つの目的は、減税でわざと歳入不足をつくり、「行革」の名で福祉や暮らしを削る。そのために「事業仕分け」を行いました。

 減税のための「仕分け」で敬老パスが改悪され、高年大学鯱城学園や女性会館などが廃止されたらたまらないと、市民の批判が広がっています。財源のメドが立たない中で減税を強行すれば、市民生活を削らざるを得ない。これでは「公的福祉解体減税」です。

 巨額の内部留保をため込む大企業や高額所得者に減税しても、景気はよくならない。国政で経験ずみです。市長の減税では地域経済の主役である中小企業は救われず、経済の活性化も図れません。

 地域経済を発展させるには、庶民の懐を直接あたためる施策こそ必要です。

 減税を断念し、浮いたお金を、介護保険料や国保料、保育料引き下げなど、そして何より防災対策に振り向けるべきです。安心・安全のまちづくりでこそ、大勢の人々が名古屋に住み、商売したいと考えるでしょう。