愛知民報

【11.08.28】民主党政権の社会保障改悪 生活保護 愛知県生活と健康を守る会連合会 会長 高柳大太郎さん 「有期化」許さない 労働者・国民の最低保障こそ

 
 先日、39歳の青年から「派遣切りされ、豊橋駅周辺で9カ月間野宿をしている。市役所にいったがまともに相談にのってくれない。助けてほしい」と相談がありました。

 東日本大震災、派遣切り、あるいは病気などで日々の生活が立ち行かない人が増え、生活保護受給者は200万人以上と受給者の多かった終戦直後をしのいでいます。それでも受給者数は、保護が必要な低所得者層の20%に過ぎないと言われています。

 最後のセーフティネットとして生活保護制度を活用し頼りにして多くの人が自立への道を進んでいるのであり、生活保護制度の充実が求められています。

 ところが政府・厚労省は、指定都市市長会が生活保護制度の「改革」を提案してきたことに合わせ、4月から生活保護基準の「検証」を始めました。

 同市長会の提案は、生活保護の受給者増で予算が増えることを理由に、仕事がなかなか見つからない受給者にはボランティアの強制や役所の調査権限の強化、生活保護支給の事実上の「有期化」、医療費の一部負担導入など、多くの問題を含んでいます。これは、憲法25条の生存権を脅かすものとして見過ごすことができません。

 生活保護受給者が増えるのは、雇用悪化と社会保障制度の機能が不十分だからです。雇用の確保や雇用保険の改善をはじめ、生活保護にいたるまで、各層にわたる安全網を充実していくことこそ重要です。

 生活と健康を守る会は今、「人間らしい暮らしと生きる希望を」と、「生存権裁判」に立ち上がっています。原告は、生活保護改悪で老齢加算を打ち切られた110人以上の高齢者で、「保護を受けている人だけでなく、すべての労働者、国民生活の最低保障基準=ナショナルミニマムにかかわる問題だ」と主張しています。

 日本の社会保障推進運動の原点といわれた「朝日訴訟」のようにたたかいたいと考えています。愛知県でも、幅広い人々に呼びかけ、支援組織を近々に立ちあげます。

※朝日訴訟

岡山県の結核患者・朝日茂さんが、生活保護行政の抜本改善を求め、1957年に起こした裁判。東京地裁は1960年、“最低限の生活保障は国の義務で、予算も優先的に配分すべき”の判決をくだした。