愛知民報

【11.05.15】侵略美化教科書 2種検定合格 「新しい歴史教科書をつくる会」が採用を求め請願を出す

 文部科学省が3月30日に発表した来年度から使われる中学校の教科書検定結果で、侵略戦争を美化する歴史教科書が2種類合格していることがわかりました。

 合格したのは「新しい歴史教科書をつくる会」が編集した自由社と、同会から分裂した「日本教育再生機構」が編集した育鵬社のものです。

 自由社版の歴史教科書は「大東亜戦争(太平洋戦争)は『自存自衛』の戦争」「日本を解放軍として迎えたアジアの人々」と記述するなど侵略戦争と植民地支配を正当化し美化する内容となっています。

 「新しい歴史教科書をつくる会」は今年2月、安城市議会に西三河地区の中学校教科書採択にあたっての調査・研究について、改正教育基本法や新学習指導要領の趣旨をふまえるように求める請願を出しています。

 名古屋市の河村市長は2009年9月の同市議会で、自民党議員の質問に答える形で、旧日本軍が中国・南京占領の際に行った大虐殺の事実を否定し、歴史教科書の採択に介入する姿勢を示しています。

 検定合格の教科書は6月ごろから各地の教育委員会で検討に入り8月末までに採択を決めます。