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性暴力、公表より多い 元米女性兵士が講演

参加者の質問に応える元米兵士のスーザンさん(正面左)=10月30日、名古屋市中区

 名古屋市内で10月30日、元米海兵隊女性兵士のスーザン・シュノールさんの講演会「性被害と米軍」が開かれ、100人以上の市民が参加しました。

 主催は米退役軍人の平和組織VFP(ベテランズ・フォー・ピース)ジャパンツアーあいち実行委員会。市民連合@愛知、全国ネットママの会@愛知、県平和委員会など共催。

 開会あいさつで愛敬浩二・名古屋大学大学院教授は「安倍政権が自衛隊を中東ホルムズ海峡に派兵しようとしている。米国の戦争に加担してはならない。講演に学び、平和へ運動を広げよう」と強調しました。

 スーザンさんはベトナム戦争時に看護兵として入隊。反戦活動に参加し、軍法会議(1969年)で有罪判決を受けました。

 スーザンさんは、徴兵制廃止後(1973年)、女性兵士が増え、後方任務から歩兵・砲兵・艦船操縦など多方面に広がっている状況を報告。入隊理由では「除隊後に大学奨学金がもらえる」、「就職のための技術習得」が多く、「志願制になったが貧困者の入隊が多く『経済的徴兵制』だ」と述べました。

 米軍基地内の性的暴行では、世界800カ所のうち、危険上位5カ所に日本、沖縄が入ると指摘し、「性暴力は増加しているが、公表される数より実際はもっと多い」と強調しました。さらに米国の国防予算、日本が一番多い米軍基地費用負担、平和の大切さを語りました。

 司会の田巻紘子弁護士から「参加者へのメッセージを」を呼びかけられ、スーザンさんは「戦争の文化を払しょくし、平和の文化を創造しましょう。世界から戦争を終わらせるため共に運動をしましょう」と訴えました。

(11月2日 しんぶん赤旗)