愛知民報

【18.06.17】日本教科書版中学校「道徳」 特異な歴史観押し付け

  2019年度から使用される小・中学校等の教科書の展示会が8日から7月2日まで県内27カ所でおこなわれています。来年度から正式に教科化され、8月初旬に採択される中学校用の道徳教科書も展示されています。
 道徳の教科化は、安倍政権の「教育再生」政策の目玉。文部科学省検定済教科書を使用して22の「徳目」を教え、一人ひとりの子どもの心や道徳を評価するもの。戦前の「修身」の復活です。
 来年度中学校「道徳」の教科書を発行するのは、東京書籍、学校図書、教育出版、光村図書、日本文教出版、学研みらい、廣済堂あかつき、日本教科書の8社。それらのうち、「道徳専門の出版社」を標ぼうし新規参入した日本教科書の道徳教科書には復古主義・国家主義的な内容や特異な歴史観にもとづく記述が目立っています。
 日本教科書は、安倍首相のブレーンとして知られる八木秀次麗澤大学教授(日本教育再生機構理事長)が設立した会社。韓国を誹ぼう中傷する〝ヘイト本〟を出版している会社と所在地が同じです。
 日本教科書の中1用道徳教科書では、日本による植民地支配に触れないまま台湾にダムを作って喜ばれたというエピソード「大地―八田與一の夢」を紹介。 中2用では、新潟県長岡市が友好都市提携をしているハワイ・ホノルルで花火を打ち上げる話の後に、何の脈絡もなく安倍首相が真珠湾でおこなった演説(2016年12月)の抜粋を掲載しています。中3用では「こころのふるさと」として伊勢神宮を紹介しています。