愛知民報

【18.01.14】労働法を過重労働促進法に 「働かせ方改悪」許さぬ 

 安倍首相は1月22日開会の通常国会に「働き方改革推進法案」を提出しようとしています。その内容は長時間過密労働で労働者を過労死に追い込みかねない「働かせ方改悪」です。悪法を阻止しようと、県民の反撃が広がっています。

ブラック企業

 「労働者の権利が守られていない〝ブラック企業〟が増えています。若い労働者の過労死が根絶されないのは労働基準法が守られていないからです」 
 愛知県労働組合総連合(愛労連)と愛知国民春闘共闘委員会が8日、名古屋駅前でおこなった新春大宣伝で、第一交通労働組合の成田喜博委員長が声をあげました。
 成田さんは大手タクシー会社第一交通産業(本社・北九州市)による組合攻撃とたたかっています。同社は全国のタクシー会社を買収。名古屋にある子会社鯱第一交通では、残業代未払い、労災隠し、組合活動家への卑劣な嫌がらせと不当解雇などが続出。ハローワークは同社を〝ブラック企業〟とみなし、求人を差し止めました。

「生産性革命」

 「働き方改革推進法案」の内容は、①残業代ゼロで働かせ放題の「高度プロフェッショナル制度創設」「企画業務型裁量労働制の対象業務拡大」②月80時間の過労死ラインを超える長時間労働にお墨付きを与える「月100時間の時間外労働上限規制」③同一労働でも賃金格差を容認する名ばかりの「同一労働同一賃金」④国の労働施策を企業本位の「生産性革命」の手段にする――というもの。
 安倍首相は4日の年頭記者会見で「働き方改革」に触れ、「70年に及ぶ労働基準法の歴史において、正に歴史的大改革に挑戦する」と言明。労働者の命と健康を守ってきた同法を生産性の名のもとに、リストラや過密労働を促進する法律に変えようとしています。
 

「5年ルール」

 労働法制の問題では、労働契約法にもとづき、契約更新を通算5年続けた有期雇用労働者が希望すれば無期雇用に転換できる「5年ルール」が4月からはじまります。
 3月末が区切りになることから、愛労連労働相談センターの渥美俊雄さんは「雇い止めに遭う前に労働組合に加入し、無期雇用を実現しましょう」と呼びかけています。相談電話0120(378)060

 

1日8時間労働こそ 東海労働弁護団団長 後藤潤一郎さん

 生産性向上優先・トリクルダウン任せのアベノミクス流「働き方改革」には大反対です。男性も女性も、パートも正社員も区別なく、普通に1日8時間働いたら生活設計できるような社会でなければなりません。
 「高度プロフェッショナル」など労働時間規制を外す動きや、8時間労働の規制を受けない個別の労働者の請負化・非労働者化の動きに注意しなければなりません。(6日、愛労連新年旗開きでのあいさつより)