愛知民報

【16.12.11】年金カット法案衆院採決強行 「くらし守れ」と決起

 物価が上がっても賃金が下がれば給付額が下がる「年金カット法案」は11月29日の衆議院本会議で、自民、公明、日本維新の会などの賛成多数で強行されました。本紙記者は2日、名古屋市内の全日本年金者組合愛知県本部を訪れ、役員の皆さんから厳しい生活に直面している高齢者の実態を聞きました。伊藤良孝県委員長は採決を強行した各党への抗議を呼びかけ、年金引き下げ反対裁判の勝利を訴えました。

「反対署名が次々集まります」

 
 ◇高橋浩さん(一宮市) 病院の門前で年金カット法案に反対する緊急の署名行動をおこないました。1時間で30人分集まり、怒りの大きさを感じました。署名は一宮全体で240人分を超えています。
 ◇茶谷寛信さん(小牧市) 年金カット法反対の署名用紙を持って団地を訪問しました。ひとり暮らしの高齢女性から「年金カットなんてとんでもない。受け取る年金が少ないから働いているが、ますます景気が悪くなると思う」と言われました。介護保険の負担増にも怒っていました。
 ◇峰野康子さん(名古屋市熱田区) 市営住宅に住んでいる人は生活が特に厳しい。介護・医療の負担が大きい。足が悪い人は短距離でもタクシーに乗るので交通費が大変です。配食弁当を2回に分けて食べる人もいます。
 ◇勝百世さん(日進市) 地域のお祭り会場の近くで年金カット法反対の署名を訴えたら短時間で200人分以上集まりました。
 ◇渡辺博子さん(岡崎市) ある大学のゼミに呼ばれて、社会保障切り下げで高齢者の生活が厳しくなっていることを学生に話しました。年金引き下げ反対裁判を説明しました。話を聞いた学生から「自分たちの年金が減らされるのでは。裁判に興味がある」という感想が寄せられました。
 ◇海道町子さん(名古屋市中川区) 27歳の息子が自営業者で国民年金加入者。「満額もらえなくなるといけないからちゃんと納めなさい」と言い聞かせています。現状では満額でも月65000円。若い人の将来が心配です。

安倍政権は退陣を 本村衆院議員が訴え

 
 日本共産党の本村伸子衆院議員は5日早朝、名古屋市の金山総合駅前で街頭演説をおこないました。本村氏は、TPP、年金カット法案、カジノ解禁法案などを強行した自公と維新を批判。「参院での徹底審議で悪法を廃案にし、安倍政権を退陣させましょう」と述べ、日本共産党と野党共闘への支援を呼びかけました。
 すやま初美同党愛知県常任委員、西山あさみ、田口一登の両名古屋市議も訴えました。

県内与党議員抗議先一覧

 年金カット法案に賛成した県内小選挙区、比例東海選出の衆議院議員は以下の通り。
 自民党=〈1区〉熊田裕通、〈4区〉工藤彰三、〈6区〉丹羽秀樹、〈8区〉伊藤忠彦、〈9区〉長坂康正、〈10区〉江崎鉄磨、〈14区〉今枝宗一郎、〈15区〉根本幸典、〈比例東海〉青山周平、池田佳隆、大見正、勝俣孝明、神田憲次、島田佳和、鈴木淳司、八木哲也。
 公明党=〈比例東海〉伊藤渉、大口善徳、中川康洋。
 ※愛知県、比例東海選出の日本維新の会所属議員はなし。

 愛知選挙区選出参院議員および、愛知県内に事務所を置く比例区選出与党参院議員は以下の通り。
 自民党=〈愛知選挙区〉酒井庸行、藤川政人。
 公明党=〈愛知選挙区〉里見隆治、〈比例区〉魚住裕一郎、新妻秀規、浜田昌良。