愛知民報

【16.07.24】パワハラ自殺 公務災害認定 原告・支援者が勝利集会

 
 上司からのパワーハラスメント(パワハラ=職場でのいじめ)で自殺に追い込まれた名古屋市交通局の市バス乗務員・山田明さん(当時37)の公務災害認定裁判で、原告勝訴が確定し、その報告集会が13日、名古屋市内でおこなわれました。
 山田さんは2007年6月、名古屋市緑区の高速道路高架下でガソリンをかぶり焼身自殺しました。父・勇さん(75)と母・雅子さん(74)は「仕事で何かあったのでは」と明さんが勤務していた同局に問い合わせました。しかし明確な回答は得られませんでした。事件の1カ月後、明さんのパソコンから威圧的な乗務指導や車内事故のねつ造などパワハラを訴える「上申書」「進退願」が発見されました。
 両親は08年7月、公務災害認定を請求しましたが、地方公務員災害補償基金名古屋市支部は11年1月、公務外と決定。両親は決定の取り消しを求めて名古屋地裁に提訴しました。
 地裁は14年3月、原告の請求を棄却。控訴審の名古屋高裁は今年4月21日、1審判決を破棄しパワハラが心理的負荷となり、抑うつ状態をもたらしたと認定しました。基金側は上告せず、公務災害を認めた高裁判決が確定しました。
 勇さんは報告集会で「息子が死んだ理由を知りたいという一心で裁判をたたかいました。交通局を謝罪させるまでがんばります」とあいさつしました。
 日本共産党の、わしの恵子愛知県議と青木ともこ名古屋市議が参加しました。わしの氏は名古屋市議時代の市議会で、「事故や苦情が多い市バス乗務員を対象とした研修で、威圧的指導や退職強要がおこなわれているとしたら大問題」と追及したことを紹介しました。