愛知民報

【15.10.11】小牧市議選 日本共産党 全員当選 得票大幅増 戦争法もムダハデもダメ 平和・くらし守る力に期待

 「やった!ダブル勝利だ」――4日深夜、大勢判明に小牧市の日本共産党事務所で歓声が上がりました。同党が戦争法廃止を訴えた市議選で、同党候補全員が当選し、同時におこなわれた新図書館建設計画への賛否を問う住民投票では、「反対」投票が多数になりました。国民、市民の運動と連携した勝利です。

激戦を突破

 前回より3減の定数25を32人が争う多数激戦となった市議選。日本共産党は、安江みよ子(60・現)、佐藤だいすけ(36・現)、今期で勇退する現職に代わる稲垣みさよ(60・新)の3氏全員が当選し、現有3議席を確保しました。3氏の合計票は前回の1・3倍にあたる6854票。同党が設定した市議選の得票目標を達成しました。

基地の町

 日本共産党候補のポスターのスローガンは「戦争法絶対ダメ約50億円のツタヤ図書館より生活優先」
 告示(27日)直前の19日、戦争法強行成立の暴挙に対し、日本共産党は「戦争法廃止の国民連合政府実現」の呼びかけを発表。
 小牧市では、政権提案を紹介する政策ビラを全戸配布し、日本共産党への支持を呼びかけました。
 「イラク戦争の時は頻繁に飛行機が飛び交い、怖かった」と市民。同市にある航空自衛隊小牧基地は海外派兵の空輸拠点。戦争法案審議のなかで、地球規模での米軍支援の兵たん基地になる危険が明らかになりました。
「小牧を戦争に巻き込む戦争法は廃止」「基地のある小牧に反戦平和の日本共産党を」という訴えは市民の心に響きました。

邪道の計画

 市議選のもう一つの焦点は小牧市の新図書館建設問題。
 市長は、新図書館の運営方針を市直営から民間委託に転換。レンタル大手ツタヤの親会社と連携し、書店やカフェを併設した図書館計画を発表しました。
 小牧駅前の「にぎわい創出」を最大の目的に、教育施設の公立図書館を集客・商業施設に変質させる邪道の計画。事業費は30億円から約50億円に膨れ上がりました。
 市民グループ「小牧の図書館を考える会」と日本共産党は、ツタヤ図書館の是非を問う住民投票の実施を求める直接請求運動を展開。約6000の署名を集めて直接請求を成立させ、市議選と同時の住民投票となりました。 
 市議選で「ムダ・ハデをやめ、暮らし・福祉優先」を訴える日本共産党候補に共感が広がりました。

参院選勝利へ

 小牧市の日本共産党は、市議選勝利を来夏の参院選勝利と「戦争法廃止の国民連合政府」実現へ発展させようと新たな活動をはじめています。

50億円ツタヤ図書館 「反対」多数

 ツタヤ図書館をめぐる全国初の住民投票結果は、賛成2万4981票、反対3万2352票で、反対が多数を占めました。
 市がツタヤ図書館のモデルとする佐賀県の武雄市図書館では、郷土史研究資料の大量廃棄やツタヤ系書店からの中古本買い取りなどの問題が報道され、開館直後のブームが去ると利用者は12万人も激減しました。
 小牧新図書館を設計した「日建設計」は、武雄市図書館や白紙撤回された東京五輪の新国立競技場と同じ建設事務所ということも明らかになりました。

見直し必至

 住民投票で「反対」が多数になったことが判明した5日未明、市長は「一度立ち止まって今の計画の問題点を見直したい」と発言しました。
「ツタヤのためでなく、市民のための公立図書館を」と訴えた日本共産党市議団の活躍が期待されています。