愛知民報

【15.06.21】戦争法案は憲法違反 廃案求める運動広がる

 国会で審議されている安全保障法制(戦争法案)について、「武力行使をしないことを定めた憲法9条に違反する」と思想、立場、党派を超えた反対の声が上がっています。憲法が政府をしばるという立憲主義を否定する安倍自公政権の暴挙に反対し、今国会での廃案を迫る共同の運動が県内各地で広がっています。

「戦争は最大の人権侵害」 県弁護士会の集会に4000人

 
 「集団的自衛権行使のための違憲立法に反対する大集会とパレード」が14日、名古屋市中区で行われました。主催は愛知県弁護士会。弁護士270人を含む約4000人の市民が参加しました。

 県弁護士会は1月のデモ、5月のシンポジウムと集団的自衛権の行使容認に反対する催しを行ってきました。今月6日には「憲法9条に違反する」と安全保障法案(戦争法案)の廃案を求める声明を発表しています。

 実行委員長の村橋泰志弁護士は「集団的自衛権が許されないということは歴代政権の憲法解釈。一内閣が解釈を勝手に変更することは暴挙。自衛隊がアメリカに加勢することになる。戦争参加法、協力法だ」と訴えました。

 2人の憲法学者が発言しました。森英樹名古屋大学名誉教授は「平時でも戦時でも、前方でも後方でもどんな国の軍隊とも一緒に戦争する法案。国会で憲法学者が『違憲』という見解を出したのは当たり前。立場は関係ない」と力説しました。

 飯島滋明名古屋学院大学准教授は「自衛隊員が殺されるリスクが高いのに政府は『低い』という。与党議員の軍事知識の幼稚さは目を覆うばかり」と厳しく批判しました。

 政治、信条、立場の違いを越え、違憲立法を阻止することを呼びかける集会宣言が採択されました。

 川上明彦県弁護士会会長はパレード出発前のあいさつで「戦争は最大の人権侵害。集団的自衛権は違憲。違憲の法案は許さない」とパレード参加を呼びかけました。

 集会に参加した日本共産党の本村伸子衆院議員と、2名の民主党議員が紹介されました。

 集会参加者は「NO WAR」(戦争反対)のうちわを持ち、「集団的自衛権異議あり」「違憲立法ダメダメ」などと唱和しながら栄の繁華街を行進しました。 日本共産党の、すやま初美参院愛知選挙区予定候補も参加しました。

党派を超えて共同 江南市で集会とデモ

 
 戦争法案に反対する集会とデモが12日、江南市内で行われました。尾張北部地域の幅広い団体、個人が呼びかけた実行委員会が主催し、約130人が集まりました。

 江南9条の会の石原之宏さんが主催者あいさつし、「平和国家を根底から覆す戦争法案は廃止させよう」と呼びかました。

 日本共産党の、かけのまち子江南市議は「日本の若者の血が流され、罪のない女性、子どもまで殺傷することになる。許せない」と訴えました。民主党と社民党の江南市議もあいさつしました。

 リレートークで小学校教員は「自衛隊員の子どもが『お父さん、戦争に行くの?』と友だちにいわれている姿を見ると心が痛む」と述べました。集会後、「戦争ダメダメ」などと唱和しながらデモ行進しました。

 同市の日本共産党、民主党、社民党の市議は2日にも、戦争法案に反対する合同の街頭演説を行っています。