愛知民報

【14.03.23】東日本大震災 3・11から3年 被災者の苦難に寄り添った 愛知の共産党ボランティア「心ひとつに」

 東日本大震災から3年。被災地では、今でも生活再建と地域再生へ苦闘が続いています。被災直後、日本共産党愛知県委員会の呼びかけにこたえ、ボランティアが被災者救援・復興支援に宮城県仙台地方南部に入りました。被災地はガレキで埋まり、津波にさらわれた住民の遺体が毎日のように海岸に流れ着き、漁船が陸地に乗り上げ、道路脇に自動車が散乱していました。「心ひとつに」と被災者と力を合わせたボランティア活動を振り返ります。

 日本共産党は仙南地方の柴田町に、党員の持ち家を借り、ボランティアセンターを開設しました。河江明美さん(現同党愛知県副委員長)が初代センター長。愛知からボランティアが集まりました。
 孤立した被災者の住宅を訪問し、救援物資を配りました。独居の高齢者は、手を合わせ、おがみました。
 仙南ボランティアセンターは活動ニュースを発行しました。表題は「心ひとつに」。

農地を復旧

 亘理(わたり)町では、特産のイチゴ農地がガレキや塩分を含むヘドロに埋まり、壊滅的被害を受けました。ボランティアは泥だらけになり、手仕事でビニールハウスの復旧作業にあたりました。
 同町では昨年11月、「イチゴ団地」が完成。高品質のイチゴの出荷が始まっています。鞠子(まりこ)幸則町議は「共産党の評価が高まった。入党者も生まれました」と言います。
 名取(なとり)市のカーネーションの温室はガラスが割れ、流出物が流れ込んでいました。ガラスの破片除去から復旧作業が始まりました。
 震災から1年後、カーネーション農家の菅井俊悦さんは本紙記者の取材に「愛知の皆さんの支援で復旧できました。うれしかった」と答えました。カーネーションの苗は愛知県産です。
 大沼宗彦市議は最近の状況について「昨年末の出荷が好調でした。今年も母の日に向けて急ピッチです」と語っています。

仮設住宅支援

 愛知から届いた支援物資は、米、生活用品、古本…。ボランティアは、被災者が着の身着のままで入居した仮設住宅に届けました。
 医師、看護師、鍼灸師、保育士、調理師、議員…。資格や特技をもった日本共産党員が活躍しました。
 松田由雄岩沼市議は「支援がなければ、被災者を助けられなかった。仙南ボランティアセンターは現在も存続し、被災者の心のケアに力を入れています」と話しています。
 愛知からは延べ1000人以上のボランティアが仙南地方で活動しました。その一人、黒田二郎さんは言います。「津波被害の惨状に衝撃を受けながらの支援でしたが、皆さんに喜んでいただきうれしく思います」

ボランティアの青年が共産党に

 本村映一さん(元日本共産党愛知県書記長)は、若者がボランティア活動を経験し、日本共産党に入党した姿を短編小説にまとめました(『名古屋民主文学』102号)。