愛知民報

【14.02.23】安倍自公政権 労働法制改悪 企業?総ブラック化?ねらう

 若者を使い捨てる「ブラック企業」。国民の批判や日本共産党の国会追及におされ、厚生労働省が重い腰を上げました。昨年9月に「ブラック企業」と疑われる全国の事業所を監督指導したところ、8割の企業で法令違反が判明しました。重大なことは、安倍自公政権が違法状態を「規制緩和」の名で合法化しようとしていることです。この暴走に、若者と日本共産党が立ちはだかっています。

愛知労働局 重点調査 8割で法違反

 愛知労働局が1月30日に公表した定期監督の結果では、同局が監督を行った県内337事業所のうち、78・9%にあたる266事業所で法令違反が見つかり、是正勧告書を送付しました。
 その内訳は、「違法な時間外労働」が156事業所(46・3%)、「賃金不払い残業(サービス残業)」が57事業所(15・1%)、「過重労働による健康被害防止措置が実施されていなかった」が7事業所(2・1%)でした。
 労働者の過重労働による健康被害防止で85事業所に、実際の労働時間を適正に把握していない28事業所に指導票を交付しています。
 具体的には、2~6カ月で平均80時間以上、1月100時間以上の時間外労働を行っている労働者について、面接指導、労働安全衛生委員会の調査審議、労働者が医師の指導を適切に受けられる仕組みづくりなどを求めています。
 時間外・休日労働時間では、337事業所のうち「過労死ライン」とされる月80時間以上の時間外労働が149事業所(44・2%)、100時間を超えていたのが86事業所(25・5%)ありました。
 違法な時間外労働をさせたり残業代を払わず、労働者の健康への配慮がない事業所が多い深刻な実態が明らかになりました。 

「厳しい取締りを」 もとむら伸子日本共産党 参院選挙区候補

 
 日本共産党愛知県委員会のブラック企業・雇用対策チーム責任者の、もとむら伸子・参院愛知選挙区予定候補は5日、愛知労働局を訪れ、労働基準部の担当者に、「法令違反や過労死ラインの月80時間以上の時間外労働をさせている企業が多すぎる」と指摘し、厳しい取締りを求めました。
 また、同党が国会に提出したブラック企業規制法案を紹介し「残業時間は厚労省ガイドラインの年間360時間を法律に明記すべきです」と述べました。

?雇用破壊打ち破ろう?名古屋で講演会 

 日本共産党中央委員会の寺沢亜志也政策委員会副責任者は15日、名古屋市で講演し「労働者と国民の連帯の力で、安倍内閣の雇用破壊の暴走を打ち破ろう」と呼びかけました。
 安倍政権がねらう労働法制改悪について、非正規労働者の拡大と固定化で?生涯派遣??正社員ゼロ?社会をつくる、「残業代ゼロ」の合法化、解雇の自由化を指摘しました。
 その上で「これは、財界・大企業が人件費抑制のために労働者を守るルールをなくすよう政府に要求していたもの。安倍首相は賃上げを口にする一方で、政府主導で賃下げを強行しようとしている」と批判しました。

「過労死ライン超す」大企業の残業時間協定

 「過労死ライン」といわれる月80時間以上の時間外労働が日本を代表する大企業でも常態化しています。
 日本経団連の次期会長に内定した榊原定征氏の「東レ」は月160時間、キャノンは月90時間働かせることができます。
 労働基準法による最長労働時間は1日8時間、1週40時間。しかし同法36条により使用者が労働者の過半数を代表する労働組合などと時間外・休日労働協定(=36協定)を結び、労働基準監督署に届け出れば、法定時間を越えて残業させても罰せられません。
 厚労省は協定による労働時間の延長限度を1週15時間、1カ月45時間、1年360時間とガイドラインで定めていますが、法的拘束力はなく、実際には繁忙期などの「特別条項」で、年間1000時間以上の残業をさせている実態があります。
 労働者の生活と健康を守る社会的責任が大きい大企業での長時間労働は、ブラック企業が全国にまん延する温床となっています。