愛知民報

【13.03.10】2013年度愛知県予算の特徴 行政の最大の目標は企業誘致 

 現在開会中の愛知県議会に提出されている大村秀章知事の2013年度愛知県予算案の特徴や県政の動きについて、林信敏さん(日本共産党・元愛知県議)に聞きました。

逆立ち

 
―予算案の特徴は。

 県政の目標を、名実ともに、県民の福祉増進から大企業の利益増進に切り替える“逆立ち予算”です。
 大村知事以前は建前だけにしても、1位は「福祉社会づくり」でした。それが4位に転落しました。
 大村知事は「行政の最大の目標は企業誘致」と言いますが、全国各地で誘致企業が撤退し、自治体の補助金が生きていません。

軍需依存

 
 ―県は航空宇宙産業に力を入れています。

 航空機やロケットの国際的な生産拠点をつくると言います。武器輸出解禁など財界の要求にこたえ、安倍政権の軍拡・改憲路線を兵器産業強化の面から支える役割があります。
 三菱など航空宇宙関連企業の誘致や設備拡大に補助金を投じますが、経済波及効果は大きくない。事故連続のボーイング787旅客機は生産の見通しも立ちません。軍需依存が強まる危険があります。

賃上げを

 ―デフレ打開策は。

 デフレ不況の原因は賃金引き下げなど労働者の所得低下です。
 トヨタなど県内で活動している大企業にはばく大な内部留保があります。知事は、賃上げを求めるべきです。

振興条例

 ―昨年、愛知県中小企業振興基本条例ができました。

 そうです。ところが、県の中小企業予算は新年度も減少傾向が続いています。
 中小企業金融円滑化法の終了対策を打つといいますが、県の新年度中小企業金融予算は前年度の94%に減らされています。振興基本条例を生かす運動が必要です。

減税どう見る

 ―大村知事と河村名古屋市長の共同公約の減税をどう見ますか。

 彼らの減税は、大企業・富裕層優遇です。 
 大村知事は法人県民税の減税を実施せず、100億円の減税財源を一握りの企業への補助金に使っています。
 14年度に実施するという個人県民税減税が河村減税と同じ方式なら、実際の減税額は「庶民にちょっぴり、金持ちにどっさり」になります。
 減税による税収減の穴埋めのため、福祉・県民サービスの削減や公共料金値上げがおこなわれるなら、家計は苦しくなります。
 県議会に、大村県政と対決する日本共産党議員が必要です。

医療費無料制度 有料化ねらう

 ―福祉医療見直しの計画があるが。

 大村県政は、大企業の補助金や設楽ダムに予算をつける一方、子ども、障がい者、母子・父子家庭などの医療費無料制度に患者の定額負担を導入する有料化を計画しています。

 県医師会や市町村議会、広範な県民が無料制度の継続を求めています。改悪阻止へ力を合わせる時です。