愛知民報

【13.02.24】愛知県周辺の原発はいま 全停止でも電力は確保

 東日本大震災による福島第一原発事故からまもなく2年。放射能による環境汚染で、いまなお16万人が避難生活を余儀なくされています。安倍政権は原発の再稼働・新増設推進の構えです。しかし、総選挙後の世論調査でも脱原発が多数。愛知県の近くにある原発の現状をまとめてみました。

50?東に

 愛知県に最も近いのは静岡県御前崎市の浜岡原発。愛知県境から約50?東です。東日本大震災後、全基の運転を止め、津波対策の防波壁を建設中です。
 浜岡は東海地震の震源域にあり、「世界でもっとも危険な原発」と指摘されています。

 

活断層

 愛知県の北西にあるのが福井県の原発群。専門家が「活断層の巣」と警告してきた地域に集中立地しています。
 敦賀や大飯の原発敷地内に破砕帯があり、活断層の可能性が高いと指摘されています。
 岐阜県は昨年4月、敦賀原発で大事故が起きた場合、高濃度の放射性物質が愛知県の尾張北部に拡散する予測を公表しました。

 

展望

 大震災後、日本の原発全基が停止しましたが、電力は確保されました。「原発ゼロ」の現実性を示しました

転換へ運動も

 
 毎週金曜日の関西電力東海支社前での大飯原発再稼動抗議など、県内各地で集会やデモが行われています。
 10日、あま市の市民が名鉄甚目寺駅前で原発ゼロを呼びかけました(写真)。横断幕を掲げ、「原発いらない」「放射能から子どもを守ろう」と、即時原発ゼロを求める署名を集めました。
 原発依存から抜け出し、太陽光発電など再生可能・自然エネルギー活用への転換をはかる、民間の取り組みも広がっています。
 昨年、愛知県中小企業家同友会が中小企業を対象に実施したアンケートで、原発ゼロが国内経済に「プラス」との回答が35%もありました。
 日本共産党は、昨年9月に発表した「即時原発ゼロ」提言の中で、「再生可能エネルギーの本格的導入はエネルギーの国産化をすすめ、日本経済の持続可能な成長を実現する」と強調しています。

福井、静岡に計5カ所

 【浜岡原発・中部電力】原子炉5基。2001年1号機で水素爆発。09年の駿河湾地震で4、5号機が緊急停止し故障も。1、2号機は耐震補強に費用がかかるとして廃炉作業中。日本最大の140万??の6号機の新設を計画。福島事故後、全基が運転停止中。
 【敦賀原発・日本原子力発電】原子炉2基。1号機は福島第一の1号機と同型。2号機は燃料漏れ事故も。現在、全基運転停止中。3、4号機を増設する計画がある。
 【もんじゅ・日本原子力研究開発機構】核燃料を再処理して取り出したプルトニウムを燃料とする高速増殖炉(実験炉)1基。冷却材漏出など事故。現在、停止中。
 【美浜原発・関西電力】原子炉3基。70年代に運転開始の老朽炉。現在、全基停止中。
 【大飯原発・関西電力】原子炉4基。関電最大の原発。12年6月、当時の民主党政権が3、4号機の稼働を認めた。全国で唯一の運転中の原発。大飯原発の運転停止・廃炉を求める運動が続いている。

原発はゼロ 日本共産党参院愛知選挙区予定候補者 むとむら伸子

 
 長崎県出身の父は原爆体験があります。私は被爆2世です。福島第1原発事故では、広島型原爆の168個分の放射性セシウムが飛散し、いまも16万人の方々が避難生活を余儀されています。
 震災の悲劇を再びをおこさないため、原発推進の安倍内閣に対決し、即時原発ゼロをめざします。