愛知民報

【12.12.02】名古屋市 保育料値上げ、廃園も 関係者が抗議

 保育所の待機児童が2011年、12年と全国最多となった名古屋市。河村市政は13年度に待機児ゼロをめざすとしていました。しかし市は10月末、子育て支援に逆行する保育料値上げと公立保育園の廃止・民間委譲の方針を打ち出しました。市民の反撃が強まっています。

 市が検討しているのは、保育料の13~16%引き上げ。平均保育料が月2450~2907円の値上げになります。総額で11~13億円もの負担を市民に負わせるものです。

 また、現在120カ所ある市立保育園のうち今後6年間に15カ園を廃止・民間移管し、最終的には78カ園に削減する計画です。

 日本共産党名古屋市議団(わしの恵子団長)は11月19日、河村たかし市長に保育料値上げと公立保育所の廃止・民間移管方針の撤回を申し入れました

 河村市長は「財政が厳しいので、負担してもらわんと」と発言。議員団は、家計が冷え込んでいる時の値上げは児童福祉法の精神に反し道理がないことを指摘。「(金持ち・大企業優遇の)減税をやめたら値上げは必要ない」と、重ねて撤回を求めました。

 名古屋市公立保育園父母の会(鏡味優美会長)は11月20日、待機児解消や延長保育など保育の充実を求める8845人分の請願署名を中川貴元議長に提出しました。

 鏡味会長は、公立保育園の廃止方針について「待機児童解消に逆行します。転園を強いられる子も生まれ、保護者に不安が渦巻いています。アンケートで意見を集約し、市にぶつけていきたい」と怒りの声を上げました。