愛知民報

【12.09.02】尊厳まもる生活保護行政を 愛知「赤旗」生活法律相談所 大河内直江室長に聞く

 長引く不況と雇用破壊、民主党政権による社会保障切り捨てで、生活苦に追い込まれる人たちが絶えません。愛知「赤旗」生活法律相談所の大河内直江室長に話を聞きました。

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 名古屋市の中村区役所では、新規の生活保護申請が毎日のようにあります。住居を失い、宿泊するところに困った人が岐阜市から交通費だけ渡されて名古屋に来たという事例もあり、厚生労働省の緊急宿泊場所確保の通達が守られていません。

 保護申請者で目立つのは、心の病や知的障害を抱えている人で、障害者手帳を持っていない人もいます。経済が厳しくなると真っ先に職場から放り出される人たちです。身寄りのない人も少なくありません。

 中卒で就職できなかった人や高校を中退した若者にも出会いました。大きなおなかを抱えた若い妊婦が「出産費用がない」と申請に来たこともありました。背景に親の貧困があり、自立して就職、結婚、子育てできるようにする教育すら受けていないのです。

 この間、国会の一部議員の発言やマスコミで?生活保護バッシング?がありましたが、実に腹立たしい思いです。人間としての尊厳を守るシステムづくりに国や自治体がもっと予算を充てるべきだと感じています。