愛知民報

【12.06.17】東日本大震災仙南被災地 現地レポート 「生きる希望わいた」 イチゴ、カーネーション出荷 「ボランティアのおかげ」(本紙・村瀬和弘)

 
 東日本大震災から1年余。愛知の救援ボランティアの活動拠点「仙台南地区ボランティアセンター」の開設から1年経ちました。津波被災地の宮城県名取(なとり)市や亘理(わたり)町を訪ねました。

お見せしたい

 
 愛知県のボランティアが温室の復旧作業にあたった、亘理町のイチゴ栽培農家を訪ねました。同町は東北地方有数のイチゴ産地。赤間健一さん(49)は「畑の復旧に尽力してくれた共産党に感謝している」と話しました。

 津波はイチゴ畑に壊滅的被害を与えました。「しばらくハウスに入る気力もなかった」と赤間さん。そこに、共産党ボランティアが支援に入りました。壊れたビニールハウスの撤去、泥のかき出し…。汗まみれの作業です。

 「大変だったと思いますよ。固まっている泥を削らなければならないうえ、重いですから」(赤間さん)

 同町吉田地区の約200軒のイチゴ農家のうち、44軒が復旧できました。しかし断念した農家も。赤間さんは「最大の要因は復旧するまでの収入が確保できないことと後継者不足」と残念がります。

 赤間さんのハウスでイチゴの苗の植え付けができたのは昨年10月。例年より1カ月遅れましたが、今年1月に収穫できました。

 「ちゃんと復旧してイチゴができているところを支援してくれた皆さんにお見せしたい」と、笑顔で作業に取り組んでいます。

たくさん出荷する

 
 名取市小塚原地区でカーネーションを栽培する名取市花卉(かき)生産組合の菅井俊悦組合長を訪ねました。苗は愛知県産です。この4月末に苗の植え付けが終わり、9月に出荷できるといいます。

 愛知県などの共産党ボランティアが温室のがれきや泥を取り除きました。

 菅井さんは「ガラスの破片を除くのが大変でした。ボランティアの支援がなければ復旧は困難でした。2?トラック持参で駆けつけた人もいて、うれしかった」といいます。

 地区の組合員8人全員が公的支援もえて復旧を果たしました。菅井さんは「カーネーションは名取のブランド。たくさん出荷することが復興のアピール。みなさんに感謝の気持ちをつたえたい」と話しました。

震災直後のカーネーション温室

 

復興支援に全力

 
 宮城県仙台南部地区には昨年以降、愛知県から延べ約1000人のボランティアがかけつけ、がれきや泥の撤去(写真)、物資配布などをおこないました。