愛知民報

【12.02.12】海上自衛隊 伊勢湾で機雷戦訓練 海外出動にらみ実戦化

 

 
 海上自衛隊が1日から8日までの昼夜間、愛知県美浜町沖の伊勢湾内で、海外作戦を想定した大規模な機雷戦訓練を行いました。

 機雷は、水中・水上に敷設され、これに接近したり接触する艦船を爆破する水中兵器。

 防衛省は2010年、伊勢湾の漁民の不安や、愛知と三重両県の平和団体の反対があるにもかかわらず、伊勢湾を機雷戦訓練の海域に指定しました。

 伊勢湾での訓練は昨年2月に続いて2回目です。今回は前回の2倍にあたる20隻の機雷戦艦艇と隊員約1000人が参加。5700トンが掃海母艦「ぶんご」をはじめ、呉、横須賀など各地の機雷戦部隊の主力艦艇や航空機が結集しました。

 訓練内容は、前回は機雷の除去でしたが、今回は機雷の敷設・除去・潜水処理と一貫した実戦型になっています。三重県の松阪港では4日、掃海艇と水中処分母船が一般公開されました。

 防衛省は、機雷の除去・処分を任務とする海自の掃海隊を「機雷戦部隊」と呼び、1991年の湾岸戦争時には、米国の要求に応えペルシャ湾の機雷除去・処分に出動。「国際貢献」が海自機雷戦部隊の主要な任務となっています。2007年には周防(すおう)灘で、米海軍が参加した日米共同の機雷戦訓練をおこなっています。

 「日米同盟深化」をうたう民主党政権のもと、海外出動をにらんだ海自機雷戦部隊の実戦化がすすんでいます。

 愛知県平和委員会軍事問題研究会責任者の横江英樹さん(日本共産党岩倉市議)の話

 複雑な機雷戦を想定した訓練だと思います。伊勢湾は一定の広い面積がある湾なので、ペルシャ湾を想定した訓練も可能でしょう。