愛知民報

【11.09.11】保育の営利化ノー 父母、保育士らが署名 名古屋市 市長は公的責任を果たせ

 名古屋市の今年4月の保育園入所待機児童数は1275人(うち3歳未満児1050人)で全国ワースト1。市がその解決を口実に保育事業への営利企業参入を検討するなかで、保育関係者や父母などが「企業参入は許さない」と、運動を大きく広げています。

 市は、待機児童解消と民主党政権がねらう「子ども・子育て新システム」への対応を検討するため、「保育施策検討会議」を設置し会合を重ねてきました。

 河村たかし市長の持論は保育の市場化。営利企業参入はやはり保育の市場化・営利化に道を開く「新システム」への地ならしとなります。これを許せば公的保育は解体され、保育所探しは親の自己責任になってしまいます。

 営利企業参入に、民間保育連盟が反対を表明。愛知県小規模保育所連合会などは「もうからなければ突然の廃園も」「入れればどこでもいいのか」など、2000人を超える父母の不安と怒りの一言カードを集め、検討会議の全委員に届けました。

 保育関係者でつくる「保育をよくするネットワークなごや」は8月31日、この日の第6回検討会議で中間報告がされることに合わせ、保育園への企業参入反対のアピールをマスコミ発表しました。

 検討会議では、多くの市民が傍聴に駆けつけるなか、委員から営利企業参入に反対する意見が続出、「これまでも企業参入については賛否両論あり、この検討会議で認めるか否か決めることはできない」との結論に。首都圏で企業参入がすすむなか、この結論は画期的なものです。

 ところが翌日の中日新聞の報道は「検討会議中間報告 保育所の企業参入容認」と、結論とは異なる記事を掲載しました。保育関係者が抗議し、市当局は新聞報道の誤りを認めました。

 全国福祉保育労働組合東海地方本部の服部公一副委員長は「親たちの切実な声と運動が委員を動かし、市の企てを押しとどめた。9月議会にむけて企業参入に反対する署名を大きく広げ、必ず阻止したい」と話しています。

 保育関係団体は、待機児童問題を解決する提案をおこなう予定です。

日本共産党市議団が緊急提言 営利化は保育低下まねく 父母の所得で格差も

 
 日本共産党愛知県委員会と名古屋市議団は8月29日、「待機児童問題を解消し、安心して預けられる保育を実現するための緊急提言」を発表しました。
 八田ひろ子県副委員長、本村伸子常任委員、わしの恵子、岡田ゆき子、さはしあこの3市議が提言を市の青少年局に届け、「公的保育を拡充し営利企業は参入させない」ことを求めました。

 市民、父母、保育関係者の願いにたって、市の責任で公立も民間も認可保育園をしっかり増やすことを要求。市が待機児童解消を理由にたちあげた保育施策検討会議で、営利企業参入も検討していることについて、「営利企業参入を許せば、保育の質の低下と崩壊をもたらし、保護者の所得によって受ける保育に差が生じることにつながる」などと述べ、反対を表明しました。

 名古屋市の今年4月の保育園入所待機児童数は1275人(うち3歳未満児1050人)で全国ワースト1。市がその解決を口実に保育事業への営利企業参入を検討するなかで、保育関係者や父母などが「企業参入は許さない」と、運動を大きく広げています。