愛知民報

【11.09.11】民主党政権の社会保障改悪? 介護の充実求める会愛知連絡会事務局長 竹内由満子さん 高い保険料限界に

サービスに自治体格差も

 
 民主、自民、公明各党などの賛成で6月に成立した改定介護保険法(日本共産党と社民党は反対)は、高すぎる保険料や利用料、特養ホームなど深刻な施設不足、実態に合わない要介護認定など「保険あって介護なし」といわれる問題をさらに悪化させました。

 厚労省がもくろみ、社会保障審議会介護保険部会の意見書も言及していた介護サービス利用料の1割から2割への引き上げ、ケアプラン作成の有料化などは、介護関係者や国民の強い反対で見送りましたが、新たな給付抑制策を盛り込んでいます。

 要支援1、2に認定された場合、これまでは通所介護や訪問介護など、全国一律のサービスを利用することができました。しかし、市町村の判断で創設できるようになった「介護予防・日常生活支援総合事業」では、サービスの内容や利用料が市町村まかせになり、必要なサービスが利用できないなど、市町村格差が拡大することが懸念されます。

 保険料の問題も深刻です。65歳以上の保険料は現在、全国平均4160円です。厚労省は、向こう3年間の保険料が5200円程度との試算を示し、都道府県の財政安定化基金と市町村の介護給付費準備基金を取り崩して5000円程度に抑えるとしています。しかし今でも高すぎる保険料。本人が住民税非課税の場合で月5000円、夫婦で1万円の負担などできるはずはありません。

 他にも24時間対応の定期巡回・随時対応サービスの創設や介護職員によるたんの吸引容認などが盛り込まれています。いずれも国庫負担を抑制する立場からの改定です。

 国庫負担の増額や介護基盤整備など、国に対する運動が引き続き重要です。同時に各市町村では現在、第5期介護保険事業計画の策定作業がすすめられており、私たちの要求を反映させるとりくみが早急に必要です。

 愛知介護の会は、地域介護の会などとともに、各市町村に「介護予防・日常生活支援総合事業を実施しないこと」「介護保険料をこれ以上引き上げないこと。高額所得者に所得に応じた負担を求め、低所得者の負担軽減をはかること」などを要請していきたいと思っています。