愛知民報

【10.07.18】事業再生ADR申請した「あおなみ線」 負債総額571億円

 赤字の「あおなみ線」を運営する第3セクター「名古屋臨海高速鉄道株式会社」は6日、第3者の弁護士や公認会計士らが会社の再建計画をつくる事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を事業再生実務者協会に申請しました。負債総額は3月末で571億円にのぼっています。

 同社は、名古屋市と愛知県、名古屋港管理組合のほか、JR東海、トヨタなど民間大企業の出資で設立され、2004年に「あおなみ線」を開業しました。

 1997年に運輸省(当時)に事業申請した際の1日当たりの利用計画は8万3千人。開業前年の03年に6万6千人に下方修正しました。09年の利用実績は約2万7千人にとどまっています。

 02年の県議会で日本共産党の林信敏県議(当時)が過大な利用予測を追及しています。

日本共産党の山口清明名古屋市議の話

 同線は、名古屋市西南部の大切な公共交通ですが、2つの問題点があります。第1は、経営破綻を招いた甘い需要予測に対する市の責任があいまいな点です。第2は、出資者のJR東海に応分の負担すら求めていない点です。金城ふ頭に造るJR博物館へのアクセスは同線です。大企業は儲けるだけ。赤字のツケはすべて自治体に、市民・県民の負担という構図が問題です。