愛知民報

【09.08.30】新型インフルエンザ 大流行止めよ 行政は十分な予防・治療体制を

 厚生労働省は8月19日、新型インフルエンザが流行に入ったと発表しました。今回の新型インフルエンザは、通常の季節性インフルエンザと同様の病原性で、タミフルなど抗ウイルス剤の治療効果も高いといわれています。しかし、多くの人が免疫を持たないため、伝染性が強く、発症しやすいことが知られています。

 国内で7月23日までの全数把握で確定した患者数は5038人。愛知県内では初の患者が確認された6月1日から7月24日までの間で、422人でした。

 7月25日以降の患者数は以前のように全数把握がされていません。

 厚生労働省が7月24日以降は医師が新型インフルエンザ患者を確認した場合でも集団感染以外は保健所への届出義務をなくしたからです。保健所の「発熱相談センター」も廃止しました。

 愛知県は同日から、新型インフルエンザの流行状況の把握を、?集団発生?学級閉鎖、休校など?ウイルスの病原性の変化?入院を要する重症者?定点把握によるインフルエンザ全体の発生動向に限定しました。

 患者把握の変更で、現在の正確な患者数の全数は不明ですが、8月第2週(10日~16日)に報告された患者数は313人。前週に比べて2・1倍に跳ね上がり、“流行”状態になっています。

 西三河地区からは「10歳男、新型インフルエンザA型、ソフトボールクラブの合宿にて感染」という報告が県に寄せられています。

名古屋市で死亡例 持病ある人は重症化も

 19日には名古屋市で新型インフルエンザ患者の死亡例が報告されました。この患者は心臓などに基礎疾患を持つ高齢者。13日に高熱を訴えて入院した後、重症肺炎を起こして亡くなっています。

 名古屋市健康福祉局は「喘息、心疾患、腎疾患、糖尿病などの基礎疾患のある人や、乳幼児、妊婦では時に重症化することがある」とし、インフルエンザを疑う症状のある人や周りにいる人は早めの受診、マスクの着用をするよう呼びかけています。