愛知民報

【09.03.22】愛知県 神田県政 私学助成制度見直し 高校奨学金予算削減へ 

 景気後退の影響が高校生を直撃しています。愛知県私立学校教職員組合(私教連)の調査によると、今年1月末現在、3カ月以上学費を滞納している生徒は昨年9月末調査の2倍に増えています。

 名古屋市内の高校教員は「定期代節約のため電車通学から自転車通学に切り替える生徒が増えた。片道2時間かけて通学する生徒もいます」といいます。

 愛知県は父母負担軽減、教育条件の向上のため先進的な私学助成制度があります。

 愛知県議会で3日、「私立高校に対する経常費補助、父母に対する授業料軽減補助の見直し」を求めた自民党県議の質問にたいし、神田真秋知事は「08年度中に方向性を打ち出し、09年度に関係者と協議して新しい制度にしたい」と“見直し”を表明しました。

 私学関係者の中に、私学の経営悪化や生徒の学費負担増につながるのではないかとの不安が広がっています。

 公立高校でも授業料滞納生徒が増えています。愛知県立高等学校教職員組合(愛高教)によると、今年1月の新学期スタート時で、滞納の多い高校では1クラス平均3人、学年全体で45人います。12カ月滞納の生徒もいます。

 県立高校の中には、試験日までに滞納授業料を納めないと、試験点数を0点にする学校があるといわれます。

 愛高教が高校生を対象に設けた奨学金(年5万円)の申請が急増しています。07年度に支給対象者を70人に拡大しましたが、100人近くの申し込みがありました。愛高教では「募金を増やし奨学金の枠を広げるよう検討している」と話しています。

 愛高教の奨学金は返済の必要のない支給制度。一方、愛知県の「高等学校等奨学金」は貸付制度です。こちらも貸付件数は増えていますが、神田県政はその予算を08年度の10億3175万円から09年度は9億1294万円に減らそうとしています。

学費援助の拡充を 日本共産党が緊急提案

 日本共産党は11日、緊急提案「学費が払えず高校卒業、入学できない若者を一人も出さない」を発表しました。

 ▽学費を理由にした処分・除籍を止める▽無保証人、未利子の緊急貸付▽授業料免除の拡充▽通学費補助制度創設▽奨学金制度の拡充▽外国籍生徒への支援――などを提案しています。