愛知民報

【09.03.15】航空自衛隊小牧基地 空中給油機3号機配備強行 

 自衛隊の海外活動を飛躍的に拡大・強化する空中給油機3号機が9日、航空自衛隊小牧基地に配備されました。
空中給油機3号機配備に抗議する人たち

配備に抗議

 県内の平和団体は同日、春日井市内で集会を開き、配備に抗議しました。3号機が飛来した午後2時半には、参加者が一斉に「故障だらけの空中給油機はいらない」と声をあげました。

 参加した新日本婦人の会春日井支部の渡辺由利さん(66)は「これ以上人殺しのための飛行機が飛ばないように」と訴えました。

トラブル続出

 小牧基地の空中給油機は米ボーイング社製で、1機220億円。トラブルが続発し、小牧基地周辺の住民の不安がつのっています。

 空中給油機1号機は2007年に小牧に配備される予定でしたが、欠陥修理のため日本到着が1年遅れました。

 2号機は08年3月に小牧に配備されましたが、昨年12月、訓練飛行中に給油用パイプが機体内部に収納できない故障が発生。近くの岐阜基地に緊急着陸しました。

 政府は当面、4号機までの小牧基地配備を計画しています。

危険空港

 小牧基地所属などの自衛隊や米軍機が使用している県営名古屋空港は日本でもっとも危険な空港になっています。滑走路で、自衛隊戦闘機の墜落炎上、空自輸送機の部品落下、米海兵隊戦闘攻撃機の異常緊急着陸など大惨事になりかねない軍用機の重大事故が相次いでいます。

 同空港周辺の春日井市、小牧市、豊山町は2月13日、防衛大臣にたいし自衛隊機の安全確保や騒音防止、米軍機の空港不使用を申し入れました。

変貌する基地

 自衛隊海外派兵反対の声が高まるなか、イラクで米軍支援の空輸活動に当たっていた小牧基地所属のC130輸送機部隊は昨年帰国しました。

 しかし、自公政権はアメリカの要求にこたえ、インド洋や東アフリカ・ソマリア沖への海上自衛隊派遣など、引き続き海外派兵をすすめています。

 09年度予算では海外派兵型軍隊づくりが推進されています。F15戦闘機の近代化改修、ステルス戦闘機の国産開発、アフガニスタン派遣も視野に入れた輸送ヘリコプターの能力向上などです。

 小牧基地への空中給油機配備は海外派兵体制強化の重要な一環です。

 小牧基地は“海外参戦型基地”に変ぼうしています。