愛知民報

【09.03.08】市民が守る公立病院 「先生が来た」 運動をすすめる住民と共産党

 愛知県内には34の公立病院があり、地域医療の中心的役割を担っています。

 ところが34病院のうち20病院(約6割)が診療時間の短縮や診療科の休止など診療制限(2008年10月現在愛知県調べ)を余儀なくされています。

 愛知県保険医協会が尾張、名古屋地域の自治体病院に要望を聞いたアンケートによると、医師不足の解消が最優先課題でした。

 県内各地で医師確保と公立病院を守る運動がすすんでいます。日本共産党が熱心に取り組んでいます。

蒲郡市民病院

 昨年4月53人いた常勤医師が10月37人に減り、消化器内科の休診や産科の分娩制限に追い込まれました。

 昨年7月、同市の革新団体が開催した「市民病院を守る」シンポジウムには、市民、病院長、地域医師会長らが出席。同年8月9日、「蒲郡市民病院を守る会」がつくられました。

 同会は3万人を超す医師増員を求める署名を集め、昨年12月、県知事に提出しました。

 今年に入り、医師2名の確保の見通しがつき、消化器内科が再開される予定です。

公立尾陽病院

 海部郡東部の甚目寺町、美和町、大治町、七宝町が共同運営する公立尾陽病院では05年に産科・小児科の入院が休止されました。

 4町の住民が「小児科入院と産科の存続を求める会」を結成。現在、「公立尾陽病院を守る会」に発展し、医師確保の運動に取り組んでいます。

 同会と尾陽病院職員労働組合は昨年1月から医師確保を求める署名に取り組みました。

 甚目寺町、美和町の町議会も署名を呼びかけ、3月に2万2千人の署名を県知事に提出しました。

 同会は今年2月、地域医療の発展を考えるシンポジウムを250人の参加で開催。甚目寺町長、尾陽病院長らがパネリストとして参加しました。

津島市民病院

 津島市民病院は大学などからの医師派遣が減り、地域医師会の協力で、開業医が輪番で夜間診療をおこなっています。

 津島革新懇は昨年10月、市長、病院長、市医師会長、日本共産党のせこゆき子元衆院議員をパネリストに医療シンポジウムを開催。市長は「市民と力合わせ5年後の黒字をめざす」、医師会長は「市民のみなさんの声に励まされた」と述べました。

名古屋市立病院

 名古屋市は市立5病院を中核病院とサテライト病院に再編する計画をすすめています。

 機能が縮小される守山市民病院を守る住民運動がはじまりました。一昨年9月に1万人を超す再編見直しを求める署名が集まり、市議会議長に提出されました。

 昨年から産科の分娩が廃止され、来年には病床半減が計画されています。

 住民の会は、安心してかかれる市民病院をめざし学習会などをおこなっています。