愛知民報

【08.10.05】名古屋市 行政評価 コスト削減優先 民生バッサリ

 名古屋市は9月9日、同市の行政評価委員会(委員長・稲沢克祐関西学院大教授)が2005年度から07年度に示した各種事業の評価でC(見直しの検討)、D(見直し、休・廃止検討)の70事業と、B(改善の検討)、C、Dと評価された109事業についてその後の取り組み状況を発表しました。

 名古屋市は、行政評価委員会のいいなりに、事業の休・廃止、施設の統廃合、民営化をおこなおうとしています。

 すでに前回(06年度)の評価以降、太陽光発電システム導入事業、身体障害者通所型施設での宿泊を伴う短期入所事業、食品衛生管理責任者講習など15事業を廃止しています。

 日本共産党の山口清明議員は議会で「地球温暖化対策が急務のなか、太陽光発電システム導入事業は『金がかかるから』と補助を打ち切るのではなく太陽光発電の普及こそ大切」と指摘しました。

 昨年、行政評価委員会は63施設を「運営改善」、33施設を「あり方見直し」、13施設を「統廃合、民営化」と提言しました。

 名古屋市は提言を受け、09年度から振甫(千種区)、大井(中区)、天白の冷水プール、10年度に短歌会館(中区)の廃止を決めました。ゴミ収集の民間委託をさらに進め、障害者の通所授産施設や更生施設の民営化、御岳休暇村(長野県王滝村)は廃止も含め検討するとしています。

冷水プール 利用者増でも廃止

09年度から廃止方針の振甫プール
 日本共産党の田口一登市議は議会で冷水プール廃止問題をとりあげ「松原武久市長は「『子育てするなら名古屋』といいながら、なぜ子どもが安心して遊べる施設を切り捨てるのか」と追及しました。市は廃止理由に老朽化、利用者減、温水プール代替をあげています。

 「使用できないほど危険か、調査したのか」という同議員の質問に、市は「調査を実施していない」と答えました。田口議員は「10年前に比べると少子化などの影響で利用者は減少しているが、この3年間は振甫、大井、天白の3プールとも増加している。05年から廃止された児玉プール(西区)、緑プールの代替といわれた温水プールの利用者は減少していて代替にはなっていない」と追及しました。

 振甫プールの存続署名に取り組んだ学童保育所の指導員(32)は「夏休みは子どもたちと毎日のように近くにある振甫プールに通っていました。温水プールは遠いし、なによりも利用料金が倍以上するので毎日は行けない」と話していました。