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水害リスク増大する 物流倉庫許可の市を住民提訴 愛知・一宮

 愛知県一宮市が千秋町の物流倉庫建設に許可を出した問題で、建設に反対する住民57人は17日、市の基準に違反するとして、許可処分の取り消しを求めて名古屋地裁に提訴しました。

 住民は、建設予定地の水田は住宅地に隣接し、天然の貯水池としての役割を果たしてきたと指摘。「水田を埋め立てれば貯留・保水能力を失い、水害リスクが増大し、地域住民の生命・身体の安全、財産が脅かされる」とし、「周辺の環境条件に悪影響を及ぼさない」とした市の開発審査基準に違反し、都市計画法上の開発要件を満たしていないと主張しています。

 住民はこれまで、「浅野羽根地域の生活環境を守る会」を結成し、建設中止を求める請願署名(1195人分)や、行政不服審査請求(103人)など取り組んできましたが、いずれも不採択・棄却されてきました。

 提訴後の会見で朝井哲二代表は「建設中止を何度も求めてきたが聞き入れてもらえず、提訴に踏み切った。これまで水害が何度も起きている地域で、水田を埋め立てればどうなるか。開発のためなら住民の生活環境を脅かしていいのか。何かあってからでは遅い」と話しました。

(11月23日 しんぶん赤旗)