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自由・人権・平和 岩田義道の遺志を今に

朗読劇「よみがえれ岩田義道」を朗読する高校生ら=12日、愛知県一宮市

 戦前の日本共産党中央委員だった岩田義道の「没後90周年記念の集い」が12日、愛知県一宮市で開かれ160人が参加しました。市民有志らでつくる実行委員会の主催。

 岩田は、北方村(現一宮市)で生まれ、1928年2月創刊の「赤旗(せっき)」の編集に携わり、32年4月には活版印刷を導入、戦前最高の7000部まで引き上げました。侵略戦争反対を掲げ特高警察に逮捕され、32年11月3日に東京の神田西警察署で拷問を受け、虐殺されました。 

 実行委員会代表の佐野正純さんは「岩田は愛知県第一師範学校(現愛知教育大学)卒業後に木曽川西尋常小学校に赴任。家の格差が子どもの将来を左右することに義憤を抱き退職。京都帝国大学に進学し、マルクスの弁証法に傾倒していった。今の子どもの貧困率は6人に1人。政府は防衛費の倍増、憲法違反の敵基地攻撃も論議しようとしている。岩田の平和を愛し貧しい人々に対する終生変わらぬ心根は、今一度ふりかえり探求すべき」とあいさつしました。

 一宮市生まれの宮川彰・首都大学東京名誉教授が「不屈の民主的先覚者 岩田義道の歩みを偲ぶ」と題して講演し、「岩田の遺志を引き継ぎ、今日の自由・人権・民主主義を見極め、反戦平和の運動を広げよう」と強調しました。

朗読劇「よみがえれ岩田義道」や北方七星太鼓による太鼓演奏、一宮うたごえTomorrowの合唱なども行われました。

(11月16日 しんぶん赤旗)