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愛知県医労連が110番 休校に伴う休暇に補償を/「夜勤ムリなら辞めて」と 医療・介護現場は深刻

電話相談に応じる弁護士ら相談員=1日、名古屋市熱田区

 愛知県医療介護福祉労働組合連合会(県医労連)が1日、愛労連、東三河労連の協力を得て、名古屋市と豊橋市の2カ所で新型コロナの相談に無料で応じる「医療・介護労働110番」をおこない、医療や介護現場の深刻な実態が明らかになりました。

 「コロナで大変な医療介護現場で働くみなさん、ひとりで悩まないで」と呼びかけ、弁護士、医療関係者や労働組合役員ら17人が応対し、11件の相談がありました。

 3人の子どもを育てるシングルマザーの看護師は「子どもの学校で感染者が出て休校になった。春の一斉休校時に有休を全部使ったので、今回の休みは給料や冬の一時金がカットになる。国や自治体の補償はないのか」など休暇に伴う補償についての相談が多くありました。

 非常勤の麻酔科医師は「病院から、麻酔を使用する手術をやらなくなったので辞めてくれと言われた」。有料老人ホームの職員は「外国人の同僚が『病気で夜勤ができないので昼勤務だけにしてほしい』と言ったら、施設は『夜勤を条件に採用した。夜勤ができないなら辞めてくれ』と言われた。ひどい対応だ」との訴えなど雇用問題もありました。

 60代の看護師は「人手不足で再び働いている。感染防止のため病棟・病床の消毒、面会や病棟外への出入り禁止のため入院患者の依頼による買い物、外来患者の検温など仕事量が増え、体が悲鳴をあげている」と訴えます。施設利用者から「高齢者は重症化すると言われている。心配なのでPCR検査を受けたいと問い合わせると5万円かかると言われた。年金生活者に高すぎる。インフルエンザ予防接種のように国や自治体で補助してほしい」の声も聞かれました。

 県医労連の林信悟書記次長は「長引く新型コロナ対応で、人手不足による過密労働、医療機関や介護事業者の収入減による、雇用不安や賃金や一時金減で、労働条件は厳しさを増している。雇用者や労働者だけで解決できる問題ではない。国や自治体、関係機関に窮状を訴え支援や改善を要請していく」と話しました。

(11月3日 しんぶん赤旗)